| ■ − 学校給食に牛乳は必要か − ■ |
平成11年6月に「学校給食の牛乳について」という提言を、私の住む柳井市に提出しました。その主だった内容は、牛乳は体に悪いので学校給食に牛乳を出すのはやめてほしい、ということでした。そして、市からの回答は、「経済的で、一般の家庭において不足がちな栄養素を補給するという意味で給食の基本食品として牛乳が占める役割は大きいと思います」という回答がありました。 でも、一般の家庭で不足がちになる栄養素とはいったい何でしょうか。 |
我が家では、牛乳を買って飲むことはしていませんが、ほとんどの家庭では、牛乳を買い、学校給食で出る量以上に飲まれていると思います。家庭で飲んでいるものを「家庭で不足しがちな栄養素を補給する」とはおかしな回答です。たぶん、不足しがちな栄養素とはカルシウムのことだと思います。しかし、牛乳からカルシウムを摂るには、他の生活習慣病のリスクを高めるものも一緒に摂ることになります。牛乳には、たくさんの脂肪が含まれています。それも、動脈硬化のリスクを高める飽和脂肪酸が、牛乳1リットル中にバター大さじ4杯分も含まれています。『健康ビジネスで成功を手にする方法』(ポール・ゼイン・ピルツァー著・私には夢がある・P.150)には、「牛乳は食物繊維を含まず、飽和脂肪酸とコレステロールのかたまりである。コップ一杯の牛乳は四九パーセントが脂肪、チーズは六五パーセント以上が脂肪だ。なにしろ、コップ一杯十二オンス(三四〇グラム)で、ベーコン八切れと同じだけの飽和脂肪酸を含んでいる。肥満や過体重を引き起こすという点では、ビールより悪い」と、書いてあります。牛乳は、ビールより悪い、不健康な飲み物です。こんな不健康飲料を学校で、生徒に強制的に飲ませるのは問題です。 |
骨がカルシウムからできているので、カルシウムを摂れば骨が強く、丈夫になるといわれています。本当でしょうか。答えはノーです。骨がカルシウムからできているのだから、カルシウムを摂れば骨粗しょう症にならないという考え方は、間違っています。筋肉はタンパク質からできていますので、ボディビルダーのような肉体をつくるには、タンパク質を摂るだけで運動をしなくても大きな筋肉をつくることができるのでしょうか。答えはノーです。タンパク質をとっても、体を動かして筋肉に負荷をかけないとタンパク質は筋肉に吸収されませんから、大きな筋肉をつくることはできません。寝たきりのお年寄りの筋肉は、痩せてきます。それを元の大きさに戻そうとして、タンパク質を普通よりも多く摂らせても、筋肉は大きくなりません。 骨も筋肉と同じです。骨を強く丈夫にするには、筋肉を使って骨に負荷をかけないと、骨は強く丈夫にはなりません。骨と筋肉はペアーで、筋肉が弱ると骨も弱ります。筋肉を使うには、それを支える骨があって、はじめて筋肉の力が発揮できます。だから、筋肉を使わないと骨に負荷がかかりません。運動をしないとお腹が減らないのと同じで、運動をして骨に負荷をかけないと、カルシウムは骨に吸収されません。このことは、寝たきりの老人にいくらカルシウムを与えても、骨量が増えないことでもわかります。 |
宇宙での任務を終え、戻ってきた宇宙飛行士の骨量がかなり減っていることに気づき、次の任務に当たる者には、カルシウムの摂取を義務づけましたが、やはり骨量は減っていました。研究した結果、無重力で筋肉を使わなくても生活ができる空間で過ごすと、骨に負荷がかからないので骨は痩せていくことがわかり、現在の宇宙船には、筋肉に負荷をかける運動器具が備え付けてあります。先進国の生活が宇宙の無重力に近い(車やエレベーターなど楽な生活空間)、筋肉を使わない楽な生活環境のため、骨粗しょう症が増えているのです。骨粗しょう症は、カルシウムの不足が原因ではありません。 |
行政や乳業メーカーは、牛乳を飲めばいかにも骨が強く丈夫になるかのようなことを喧伝していますが、あまりにもいい加減で、国民や消費者をバカにしています。保健婦さんなどは、ほとんど運動をしないお年寄りに「牛乳を飲んでいますか」とか「牛乳を飲まないと骨粗しょう症になりますよ」などと脅して、いかにも牛乳を飲めば骨粗しょう症を防げるかのようなことを言い、牛乳を勧めています。それで効果が上がっているかといえば、効果はまったく上がっていません。牛乳を飲むことで余分な脂肪をとることになり、心臓病のリスクが高まります。アメリカ心臓病協会などは、牛乳・乳製品の摂取を減らすように呼びかけているくらいです。 |
以前、アメリカで行われた骨粗しょう症の大規模な疫学調査で、牛乳は骨粗しょう症の予防にはならないことがわかり、1998年からは、牛乳で骨粗鬆症の予防ができるかのようなコマーシャルは、放送されなくなったそうです。それを日本では、保健婦や栄養士、医師などが牛乳を飲めば、如何にも骨粗しょう症を防げるかのようなウソを言って、牛乳を飲ませています。医学や栄養学は科学的といわれていますが、まったく科学的ではありません。詐欺的です。 |
体をほとんど動かさないお年寄りに大量のカルシウムを摂らせると、使われないカルシウムは、尿と一緒に体外に排泄されます。しかし、尿中へのカルシウム流出は長期におよぶと、尿管結石のリスクが高くなります。牛乳を飲めば、大量のカルシウムも摂れるかもしれませんが、同時に大量の脂肪も摂ることになります。この脂肪が、生活習慣病の主だった原因になっていることは、周知の事実です。物事は、一点の良さだけを見て決めるのではなく、全体を見て、見極めないととんでもないことになります。 |
最近、『病気にならない生き方』(新谷弘実著・サンマーク出版)という本が約100万部というベストセラーになっています。この本にも牛乳の害が書かれています。 「過酸化脂質を多く含む牛乳は、腸内環境を悪化させ悪玉菌を増やし、腸内細菌のバランスを崩します。その結果、腸内には活性酸素、硫化水素、アンモニアなどの毒素が発生します。(中略)牛乳はさまざまなアレルギーだけではなく、子供が白血病や糖尿病などシリアスな病気を発症する原因となっているという研究論文はいくつも出ています」(P.72)、「どうしても牛乳の味が好きだという人は、ホモゲナイズされていない低温殺菌の牛乳を、ときどき飲む程度にして下さい。そして、嫌いだという人や子供に対してはけっして無理に飲ませないことです。牛乳を飲んでも体によいことは何もないのですから」(P.111)牛乳を飲みすぎると、骨粗しょう症になることも書かれています。(過酸化脂質は、超高温殺菌で牛乳中の脂肪が酸化します。だから、低温殺菌の方が安全なのです。) |
山梨医科大学名誉教授 佐藤章夫氏は、牛乳と前立腺ガンの関係を指摘されています。世界42ヶ国の前立腺がん、および精巣悪性腫瘍の発生率と、食品摂取量の関係を調べた研究を発表されています。 「前立腺がんの発生率と最も関係の深い食品はミルクであった。前立腺がん発生率との相関係数(r)はミルクが0.711で、次いで肉の0.642が大きい。前立腺がん死亡率との相関係数はミルクの0.766が最も大きかった。逆に、前立腺がんと負の相関関係(摂取量が多くなるほど前立腺がんが少なくなる)を示す食品は穀物であった(発生率に対して-0.648、死亡率に対して-0.661)」 佐藤名誉教授も牛乳や肉、チーズなどの高タンパク食品を摂ると体液が酸性に傾く。それを元にもどすには、アルカリ中和剤として骨のカルシウムが使われるため、骨粗しょう症になる、と言われています。世界で牛乳の摂取量が一番多い国、ノルウェーでの骨折率は、日本の約5倍です。牛乳で骨粗しょう症を予防できないということは明らかです。 |
「典型的な研究の一つに、若者にタンパク質を一日四〇グラムから一四一グラムに増やした食事を与えた実験がある。タンパク質が増えたほうは尿から出されるカルシウムが二倍になることがわかった」(『ぼくが肉を食べないわけ』ピーター・コックス著・築地書館・P.203)と、肉や牛乳などの動物性食品には、タンパク質が多く含まれています。肉を多く摂取するアメリカやヨーロッパでのカルシウム摂取量は1000mg前後ですが、骨粗しょう症の患者も非常に多くいます。 骨粗しょう症が日本で増えたのは、カルシウムが不足しているからではなく、体内のカルシウムを奪うものを摂取するからです。体からカルシウムを奪うものに、牛乳や肉に多く含まれているリン、コーヒや清涼飲料水に含まれているカフェイン、お菓子に使われている大量の砂糖などがあります。戦後、リン、カフェイン、砂糖などを多く口にするようになりましたが、戦前はほとんど口にしませんでした。だから、骨粗しょう症も少なかったのです。実際に、毎日コーヒーを2杯飲む36歳から45歳の女性は、カルシウムを22mg失うという研究結果もあります。 |
牛乳のカルシウムは、体への吸収が食品の中でもっとも良いように言われています。しかし、体に吸収されたからといって、すべて利用されるということではありません。体を動かさずに骨に負荷をかけない人でも、カルシウムは小腸から吸収はされますが、使われずに排泄されてしまいます。体への吸収率が良いことだけをいっていますが、使われなければまったくの無駄で、吸収率は良くても無駄になるのでは、摂らない方が良いのではないでしょうか。 1946年ごろの日本では、1日のカルシウム摂取量は250mgくらいでしたが、骨粗しょう症患者と言われるような人は、ほとんどいませんでした。この時代には、車や便利な道具もあまりなく、体を動かさないと生活が成り立たないので、自然と生活行動の一部が、骨に負荷のかかる運動になっていました。もちろん、カルシウムを奪う肉や牛乳、コーヒーや清涼飲料、多量の砂糖などは口にしませんでしたから、カルシウムの摂取量は少なくても、骨粗しょう症に罹っている人は、いなかったのです。 |
2002年の60-65歳のカルシウム摂取量は、605mgです。カルシウムの摂取量不足が骨粗しょう症の原因ならば、1946年ごろは2002年の半分以下なのですから、骨粗しょう症の人で溢れかえっていたはずですが、骨粗しょう症の人は稀でした。ですが、1946年の倍以上のカルシウムを摂っている現在は、骨粗しょう症の人であふれています。 骨粗しょう症は、カルシウム不足で起こるのなら、骨粗しょう症の人は減っていなければいけません。変だと思いませんか。これだけでもわかるように、骨粗しょう症はカルシウム不足から起こるのではないということです。体を動かさないためにカルシウムが骨に吸収されないことと、カルシウムを奪うものを摂っていることが原因です。カルシウムを奪う食品を指摘すると、それらを製造、販売している大手企業や日本経済に悪影響があるから、骨粗しょう症はカルシウム不足としているだけです。 |
牛乳以外の食品でのカルシウム吸収率は、それほど良くないとされています。しかし、昔は牛乳を飲んでいなかったにもかかわらず、カルシウム不足ではなかったことを考えると、吸収率はあまり重要な要素ではないと思われます。見方を変えて考えると、人はそれほどカルシウムを必要としていないということです。それをあたかもカルシウム不足が骨粗しょう症の原因かのように言って、牛乳を最高のカルシウム源と祭り上げ、国民を騙す行為を行政や医者、栄養士、保健婦、乳業メーカーが行っています。これは一種の詐欺行為です。即刻、止めるべきです。 |
昔は、妊娠して子牛を出産してから乳が出ていましたが、現在の牛は濃厚飼料が与えられていますから、妊娠中から乳を出します。そのため、現代牛乳には妊娠している牛から搾乳された乳も含まれています。妊娠した牛の乳には、硫酸エストロンという女性ホルモンが含まれています。牛の女性ホルモンは、人間のものと同じです。これは、本物のホルモンなので、環境ホルモンの非ではないくらい、強く作用するそうです。このようなものを成長期の子どもに強制的に飲ませるのは、いかがなものかと思います。(詳しくはこちらのホームページをご覧下さい。http://www.eps1.comlink.ne.jp/~mayus/lifestyle2/Hormoneinmilk.html) |
日本で市販されている牛乳は、牧場で採取されて工場に運ばれ、ほとんどの牛乳は、130℃で2秒間殺菌した超高温殺菌牛乳ですので、有用な菌や栄養素が壊れています。自閉症や言葉の発達に遅れのある子どもたちの治療をしている、東京都文京区の「ルナ子ども相談所」は、検査機関で市販されている牛乳の成分を調べてもらいました。その結果、有用なビタミンは非常に少なく、ビタミンDは分析不可能、それどころか、有害なアルミニウムが検出されたそうです。このように栄養価が低く、有害物質や過酸化脂質の入っている牛乳を生徒に強制的に与えて本当にいいのでしょうか。 |
筋肉が痩せてきても、タンパク質が不足しているとはいいません。筋肉が痩せるのは、運動不足だということがわかっているからです。でも、骨粗しょう症になれば、カルシウムが足らないと言われます。何故でしょうか。以前の日本は、カルシウム摂取量が250mg、無重力で筋肉を使わない生活の宇宙から帰還した飛行士の骨量減の事、カルシウムが多く、吸収率が良いといわれる牛乳・乳製品の摂取量が50年前の約40倍に増えているのに、骨粗しょう症の患者が増えていることなどを考えれば、科学に無知で高学歴でもない私のような人間でも、骨粗しょう症はカルシウム不足からなるのではなく、原因は別にあると考えるのが自然なのではないでしょうか。 |
医学、栄養学は科学的といわれますが、骨が痩せたらカルシウム不足と安易に答えを出す。あまりにもお粗末です。でも、これが科学の実力なのです。何もわかっていないのです。「実は、科学はぜんぜん万能ではないのです」と『99・9%は仮説 思いこみで判断しないための考え方』(竹内 薫著・光文社新書・P.14)に書いてありました。実際、この本には飛行機は何故浮くのかという、当然、科学的に答えが出ていると思われることがまだ科学的には解明されていないということが書いてあります。科学的といわれることの99.9%は、仮説ということです。あまり科学を鵜呑みにしない方がいいようです。 |
日本では、科学的根拠よりも経済的根拠を優先させる場合の方が、はるかに多いのです。牛乳もその一つです。経済的根拠によって、学校給食に牛乳が出されている可能性が高い、と私は思っています。実際、50年前までの日本人は、牛乳をほとんど飲んでいませんでした。飲まなかったから不健康だった、という事実もありません。むしろ、哺乳動物が離乳期を過ぎても乳離れできずにいることの方が、おかしいのです。だから、学校給食に牛乳を出さなくなっても児童の健康に悪影響はなく、むしろ、児童の心と健康は好転すると思います。 |
牛乳を摂れば、骨粗しょう症、乳がん、前立腺がん、小児白血病、心臓病、アトピー、肥満などのリスクが高まります。学校給食で牛乳を強制的に飲ませるのは、即刻止めるべきです。厚生労働省は、2002年度からは公立保育園の牛乳給食の量を200mlから80mlに減らしていますし、2003年5月30日付の「学校給食における食事内容について」という文部科学省の通達によれば、学校給食に牛乳を出さなくてよいことになっています。ほとんどの家庭で、学校で飲む量よりも多くの牛乳を飲んでいるものを、わざわざ学校で出す必要はないように思います。 |
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引用・参考文献 『健康ビジネスで成功を手にする方法』ポール・ゼイン・ピルツァー著・私には夢がある 『99・9%は仮説 思いこみで判断しないための考え方』竹内 薫著・光文社新書 『病気にならない生き方』新谷弘実著・サンマーク出版 『ぼくが肉を食べないわけ』ピーター・コックス著・築地書館 「生活習慣病を予防する食生活」http://www.eps1.comlink.ne.jp/~mayus/index.html 『牛乳神話完全崩壊』外山利通著・メタモル出版 |