− 狂牛病について − 

 
日本でも狂牛病に感染した牛が2頭も発見されました。とうとう来るべきものが来たという感じです。 国は畜産農家や食肉業者を守るために焼き肉を食べるパフォーマンスをしたりしましたが牛肉の消費は下がる一方です。 こんなパフォーマンスを消費者が信じると思っているのでしょうか。たぶん食べている大臣なども消費者のことを思って 食べているのではないのでしょう。「私たちは牛肉を食べて消費者に安全性を訴えて牛肉の消費を回復させる努力をして いる」ということを畜産農家や食肉業者に見せるパフォーマンスだったのではないでしょうか。 政治家や行政はいつも国民や消費者の方を向かず国や企業の方を向いています。この度も1頭目の感染牛が出て直ぐに 「牛肉や牛乳は安全」ということを発表しました。食品がO157で汚染しているかもしれないことが分かった時に行政が 行う事はその食品の販売を中止させ回収させることが原則です。だから今回の狂牛病で政治家や行政が国民や消費者の方 を向いているのならむしろ「牛肉や牛乳の安全性が完全に確認されるまで数年は食べるのを止めて下さい」と言うべきでした。 案の定、安全宣言を出した後に2頭目が発見されました。まだまだこれからも沢山発見されると思います。しかし、安全宣言 を出していれば牛肉を食べる人がいますので狂牛病に感染する人が確実に増えることになります。薬害エイズやヤコブ病の時 に他国では輸入の禁止や使用の禁止をして被害が広がることを最小限にしたのに対して日本は知っていながら輸入や使用の 禁止をしなかったために被害が広がりました。今回の狂牛病でもまったく同じことをしています。これが頭のいいことを 自慢している官僚のすることでしょうか。
そしていつもの事ながら安全宣言をする時に責任の所在と、どのような責任を取るのかについての発表はまったくありません でした。責任の所在がハッキリしていなくどのような責任を取るのかが分からないのならだれでも安全宣言が出せます。 安全宣言を出した後にだれかが狂牛病に感染した場合、何の保証もなく、誰も責任を取らないということです。 今回も責任をだれも取らない無責任な人ばかりですから「とりあえず業者向けに安全宣言を出しておけ」というようなこと だと思います。今回の狂牛病騒ぎで経済的に追い込まれている人や自殺者までも出ているのですから行政関係者は少しでも 責任を感じているのなら今年の暮れのボーナスを返納するくらいの事をしてもおかしくないのではないでしょうか。
国は牛の脳、脊髄、眼、小腸の1部以外は安全と言っていますが、本当でしょうか?私には信じられません。今している 検査方法では異常プリオンが一定量異常ないと検査で検出されないという欠点がありますので100%安全とは言い切れません。 「狂牛病の病原体である異常プリオンは、牛の体細胞中には循環器系の全組織に存在すると考えられます。 ただし、少量であるため検出は不可能です。検出されないイコール安全性の科学的根拠にはなりません。」 (消費者リポート第1166・1167号・日本消費者連盟)
「四部位以外のところにも異常プリオンはあるだろうとされているのです。 異常プリオンはある一定量まで蓄積されないと検出されませんから」 (『不幸な傍観者、日本』 篠田博之著・中国新聞・2001年10月22日付朝刊)
「さらにイギリス政府は致命的なミスも犯した『狂牛病は、脳や脊髄など『特定贓物』だけから、感染するのではない。 筋肉(食肉)からも感染する…』ということを見落としていたのだ。」(『早く肉をやめないか?』 船瀬俊介著・三語館・P.79)
異常プリオンが一定量以下では検出されないため異常プリオンがあっても安全な肉として市場に出荷されます。 異常プリオンを含んだ肉を1gでも食べれば狂牛病に感染してしまうそうですので今の検査方法では人への感染は完全に 防げないと思います。だから「とりあえず安全宣言を出しておけ」ということしかできないのです。

では牛乳は安全なのでしょうか?これも安全とは言えないようです。「牛乳の中には、細胞が含まれて(中略) 当然、その細胞中にはプリオンが存在します。数値は極めて少ないでしょうが、存在の可能性は否定できないと思います。」 (消費者リポート第1166・1167号・日本消費者連盟)
「肉も牛乳も濃度が低いだけでゼロじゃない」 (『不幸な傍観者、日本』 篠田博之著・中国新聞・2001年10月22日付朝刊)というように異常プリオンの量は少ないという だけでまったくゼロとはいえないのですから牛乳も完全に安全とは言えません。 今回の狂牛病騒ぎで学校給食の現場で奇変な現象が起こりました。国が安全と言っていた牛肉と牛乳のうち、牛肉だけを 止めました。なぜ牛肉だけなのでしょうか?なぜ牛乳は安全と思ったのでしょうか?どうも私には理解できません。
「狂牛病の先進国(!)であるイギリス消費者協会(CA)は、こうはっきり断言する。『狂牛病リスクを避けたいーと思う 消費者は、牛肉とその加工品を食べるのを止める以外に方法はありません』なぜならば『狂牛病のリスクの程度を予測できる 科学的情報も存在しないからです』とCA事務局長は明言する」(『早く肉をやめないか?』 船瀬俊介著・三語館・P.19)

イギリスで狂牛病に罹った牛が発見されたのは1986年です。そして1990年から1996年まで肉骨粉をイギリスから約333トンも 輸入されていたのですからかなりの量が輸入されているということになります。イギリスから肉骨粉を輸入し始めた段階から 日本で生産されて出荷する肉の狂牛病感染の検査をしていたのなら、日本での人への狂牛病感染のリスクはかなり減らせる でしょうが、検査を始めたのは今年8月ころからで全頭検査は10月18日からですからそれ以前の肉は汚染されていたかどう かも分かりません。汚染された肉は売られていたかもしれないし、もうすでに皆さんのお腹に入っているかもしれません。 特に外食産業などはここ数年間、低価格競争が激化していますので仕入れる肉は安い方がいいのに決まっています。 有機栽培されたような飼料で育てられた牛の肉が安く販売できるとは思いませんので安く販売している肉の狂牛病感染の リスクは高くなると思います。実際にイギリスやEUで狂牛病に感染した若い人の多くがハンバーガーが好きだったといいます。 日本で狂牛病が発見された後にある大手安売りハンバーガーチェーンが「当社のハンバーガーにはオーストラリア産の牛肉を使用しています」 とテレビコマーシャルや新聞広告を始めました。しかし、このテレビコマーシャルを見た時に私は「あれ、おかしいな!」と思いました。 かなり前ですが日経流通新聞でその大手ハンバーガーチェーンは毎日、その日、世界で一番安い食材を一括購入することを自慢している記事を 読んでいたからです。オーストラリア産の肉は年間を通して世界で一番安かったのでしょうか。多分、世界で安い肉は狂牛病の発祥地イギリス 産か鶏フンなどをエサとして牛に与えているアメリカ産などで動物性の飼料を与えることを法律で禁止しているオーストラリア産ではないよう に思いますので信じられませんでした。そんな時に読んだ『早く肉をやめないか?』(船瀬俊介著・三語館・P.151)にそのハンバーガー チェーンのことが書いてありました。「日本○○○ナルドの藤○田社長が『週刊ポスト』誌(2000年2月4日号)で『わが65円ハンバーガーに 勝算あり』とぶち上げているからだ。その中で、同社の食材調達法を『グローバル・パーチェシング(注・世界一括購入)といって原材料の世界調達 です。牛肉、タマネギ、ポテトは、今はどこが安いのか、瞬時に全世界からの価格情報を集めて、一番安いところから大量に 仕入れます』と明言。『オーストラリア産のみの牛肉を使用している』という同社広報部の抗議は、嘘八百デタラメだったのだ。担当者も誤り であることを、のちに私に認めた。」これだから大手企業のいうことは信じられません。ある大手食品メーカのゴマから作ったビタミンEの コマーシャルをテレビで見たことがあります。その中で消費者らしき人が出て「○○さんのような大手メーカーが作っているのですから安心 して食べられます」といっています。大手だから安全という根拠はあるのでしょうか。だけど普通、消費者は根拠のないままただ大手というだけ で信じてしまいます。「トップであるというお墨付きがあれば、見込み客はあなたが語ることをほとんどそのまま信用するだろう。」 (『ユニークポジショニング』 ジャック・トラウト、スチーブ・リブキン共著・ダイヤモンド社・P.108)
外食産業ではトップの日本○○○ナルドのような大企業の言うことはほとんどの消費者は信じてしまうでしょう。 大企業にはウソがバレても大丈夫という自信があります。雪印乳業のように消費期限切れで回収して廃棄するような牛乳を再利用して 消費者を欺くような事件を起こしても、まだ雪印の牛乳などを買う消費者の方がいます。雪印乳業のような事件を小社が起こせば確実に信用を失います。 しかし、大手は少々のことをしても大丈夫という読みがあります ので平気でウソをつきます。大手企業だからといってすべてを信用しない方がいいように思います。

「『ハンバーガーは、狂牛病のもっとも″危険な感染源″になるだろう』これは、世界でもっとも権威ある科学専門誌 『ニューサイエンティスト』の警告である。」(『早く肉をやめないか?』 船瀬俊介著・三語館・P.19)

小社は以前から牛乳や肉をあまり摂らない方が健康のためにいいと主張してきました。牛乳はカルシウムを摂取できるので健康 のために飲むという人が多いようですが、少しのカルシウムは摂れるかもしれませんがそれ以上に脂肪を多く摂取するように なります。脂肪は高脂血症やガン、肥満などの生活習慣病や乳がんなどの病気の原因になります。肉は人間にとって都合の悪い ウエルシュ菌などの腸内細菌を増やし大腸ガンなどのリスクを招きます。だから肉や牛乳は健康のことを考えると摂らない方が いいのです。今回の狂牛病騒ぎは「もう肉や牛乳は止めなさい」という神の啓示ではないでしょうか。「放牧による熱帯雨林 破壊、排泄物などから発生するメタンガスなどで地球温暖化を加速している。なにしろ世界の牛消費を50%に下げるだけで、 CO2は20%以上削減でき、温暖化問題は解決してしまうのだ。」(『早く肉をやめないか?』 船瀬俊介著・三語館・P.21)
地球環境のことを考えても肉や牛乳は摂らない方がいいのです。今、飢餓状態の人は世界で約8億人に達します。発展途上国 では毎日3万5000人の人が飢餓で死んでいるそうです。しかし、穀物の増産は温暖化など地球環境の悪化でこれ以上できないと いわれています。1キロの肉を作るのに7キロの穀物飼料を必要とするために家畜飼料としてトウモロコシなどの穀物が大量 に生産されています。しかし、牛の消費が50%に減れば牛用の穀物の消費が減りますので牛用に作っていたものを人間用の 大豆などの穀物を作れるようになり、飢餓に貧している人達にまわせます。日本は米など穀物を作ろうと思えば作れる環境に あるのに3千万トン以上の穀物を輸入しています。その分、発展途上国が調達できる穀物の量が減ります。今、日本人は十分 過ぎるくらいの栄養を摂っていてる上に、健康のためと牛乳やヨーグルトなどの乳製品を摂っています。これらは無理に摂ら なくてもいいものです。牛乳などを止めても健康に何ら悪影響はありません。むしろ止める方が健康のためにはいいはずです。 「健康のために○○を摂りなさい」というようなテレビ番組や本の特集が多いですが、これは間違っています。現代病の原因 のほとんどは摂り過ぎのために起こっています。環境問題や健康問題などすべてに言えることですが、それらを解決するには 先ず「減らす」ことです。そして日本食の基本に戻ることです。ごはんや味噌汁、たくあん、煮物など先人が体験的に作り 上げてきた物を食べることで日本人は健康が維持できます。醤油や味噌などの調味料に本物の発酵食品を使えばわざわざ チーズなどを摂る必要はありません。 有機栽培された米や野菜を使うことでビタミンなどは十分摂れますし、高炭水化物、高繊維の日本食は 腸内細菌のエサとなり人間にとって都合のいいビフィズス菌などの腸内細菌が育つ環境を作ります。その腸内細菌にはビタミンを 作る働きがありますのでビタミンなどの栄養補助食品を摂る必要はなくなります。ハムやソーセージなどの畜肉、かまぼこなどの 魚肉加工品、清涼飲料水に製品保存や歯ごたえを出すため、安定を良くするためなどにリン酸塩が添加されています。このリン酸 塩はカルシウムや鉄などと結合してその吸収を妨げる結果カルシウムや鉄の不足を招いています。手軽に食べることの出来る 加工食品を減らせばカルシウム不足も解消できるかもしれません。そもそも栄養不足だのカルシウム不足だのといいますが この根拠になっているのが栄養所要量です。しかし、この栄養所要量をどのように導きだしたかには根拠がないそうです。 このくらい摂っていればいいのではないかという程度で決めた量だそうですので本当に不足しているのかどうか分かったもの ではありません。実際にビタミン摂取量を栄養所要量より減らした方が腸内細菌叢のビフィズス菌などが増え安定した状態に なるのが分かっているそうです。 みなさんが牛乳や牛肉の摂取を減らすことにより地球温暖化問題、食糧問題、医療費問題、健康問題が解決の方向に向かいます。 それには今回の狂牛病は摂取量を減らすための絶好のチャンスかもしれません。

『関口宏のサンデーモーニング』(TBS・2001年11月4日放送)で紹介されましたが、イギリスでは狂牛病発生以後、有機栽培 された食材など安全性の高い自然食品を摂る人が増え、オーガニック(自然食品)食品市場は前年比50%も伸びているそうです。 そして司会の関口さんが「うまいとか安いとかで選ぶ時代ではなくなった。」と話されていました。日経流通新聞でも 『仏で広がる農産物の産地直販』(2001年11月27日)でフランスでも狂牛病以後、「安心できる食物を求める傾向を強めた 消費者」と安全な物を求める傾向にあるように紹介されていました。食べるものに何が添加されているか、どのような物で つくられているかなどを確認して買わないと健康を維持できなくなってしまいました。    


教訓 1「責任の所在や、どのような責任を取るのかが分からない安全宣言は信じないこと」
教訓 2「原料などの出所のはっきりしない食べ物は食べないこと」
     
 
 
 
エコロジカル・ヘルシーショップ三友 桧垣史郎
引用・参考文献
『早く肉をやめないか?』船瀬俊介著・三語館
『なぜ起きる?狂牛病』消費者リポート第1166・1167号・日本消費者連盟
『不幸な傍観者、日本』篠田博之著・中国新聞・2001年10月22日付朝刊
『ユニークポジショニング』 ジャック・トラウト、スチーブ・リブキン共著・ダイヤモンド社
『アイシス・ラテール 春・夏号』(株)アイシス・2001年5月30日発行
『腸内革命』森下芳行著・ごま書房
『関口宏のサンデーモーニング』 TBS・2001年11月4日放送
『仏で広がる農産物の産地直販』 日経流通新聞・2001年11月27日


トップページへ