− 科学的根拠とは何?(私が科学的根拠を疑う理由) − 

 
「冷静な目で科学的根拠のある意見を述べるのならともかく、医学や獣医学の専門知識もないのに (それとも桧垣さんは科学や医学、生物学を修めた方ですか?)、自分の考えに都合の良い意見しか述べて いない本を鵜呑みにしてコラムを書いて、このサイトに来る人々におかしな知識をばらまくのはお止めにな った方が、このお店のためにもなると思います。」(某巨大掲示板より・エコロジカルな掲示板)

2003年のはじめに上記のようなお叱りを私は受けました。しかし、この批判の書き込みをされた某巨大掲示板 よりさんは「冷静な目で科学的根拠のある意見を述べるのならともかく」と書かれていますが私は冷静だから こそコラムに私の意見を述べているつもりです。そして「医学や獣医学の専門知識もないのに」と書かれてい ますが、ご自分ではそれらの専門知識をお持ちで私の意見が間違っているから反論されているのでしょうか? そして私の書いていることが「おかしな知識」だとする根拠をお持ちなのでしょうか?人には根拠を求めるが 自分では根拠を持たずに、ただ「みんながそう言っているから」などと根拠が非常に曖昧なことを言う人が多 すぎます。大勢の人が言うことは正しくて少数の人が言うことは本当に間違いなのでしょうか。昔、地球は丸 いと発言した人がいました。しかし、大多数は反発し信用しませんでした。でも、現代、地球が丸いことは常 識です。昔、地球は丸いと発言して多くの人が批判したように常識とは少し違うことを発言すると必ず反発す る人が出てきます。そこで常識とは何かという疑問が生まれます。常識を辞典では「ふつうの人なら、だれで も持っているような考え方や知識。」(『例解小学国語辞典』三省堂)となっています。その次に「だれでも 持っているような考え方や知識」をどこから得たかが今度は問題になります。学校やテレビや本などからその ような考え方や知識を手に入れます。しかし、その考え方や知識が絶対に真実だという保証はありません。こ の宇宙や銀河系、地球などはどのようにでき上がったのか誰も見た人がいないので、真実はわかりません。 しかし、学校の教科書には想像(推測)でしかない宇宙や地球の誕生が記述してあり、それをあたかも真実 かのように学校で教えています。真実ではないがみんなの一致した考え方なので常識となって一人歩きをして いるだけです。だから常識が必ずしも真実や正しいという根拠にはなりません。
「科学は多数決ではないのです。」(『バカの壁』養老孟司著・新潮新書・P.24)

「冷静な目で科学的根拠のある意見を述べるのならともかく」と科学的根拠がいかにも正しいかのように言わ れています。しかし、この科学的根拠も常識と同じで科学的根拠が必ずしも正しいとは言えません。先ず、 「科学的根拠は正しい」という常識自体が何の根拠もありません。その理由は科学的根拠を明らかにするのは 人間だからです。科学的根拠は、ある科学者や研究者というフィルターを通して明らかにしたものです。その フィルターがクリーンできれいならいいのですが、企業からの研究費や名誉、売上、所属している会社の方針 などという汚れがついていることがよくあります。その汚れのために科学的に明らかにされた真実(科学的根 拠)も曲げられ汚染されてしまうことがよくあります。例えばPRTR法という法律です。この法律で合成洗剤の 成分6種類を有害化学物質として削減の対象にするように国が決めようとした時、合成洗剤メーカーは合成洗剤 の生分解は早く、環境に負荷を与えないという科学的根拠を出しました。しかし、国はメーカーの出した根拠 は合成洗剤に馴らされて合成洗剤に強い微生物を使い、分解されやすい条件で実験をして出したデーターとい うことでメーカー側の科学的根拠を拒否したため、PRTR法で合成洗剤の成分6種類が有害化学物質として指定 されました。ダイエッ ト食品としてや糖尿病患者などに摂取を勧めるアスパルテームというカロリーゼロの甘味料が脳腫瘍を発生さ せるなどの有害性が疑われていますが、そのアスパルテームについて出された論文の中でアスパルテームを製 造している企業から研究費をもらっている研究所から出された論文で有害性を指摘したものはゼロでしたが、研 究費をもらっていない研究所から出された90論文中、有害とした論文は83、安全とした論文は7でした。 (『買ってはいけない』船瀬俊介・三好基晴・山中登志子・渡辺雄二著・週間金曜日・P.21)研究費という汚 れが研究結果を汚染したとしか考えられません。科学的に導き出された根拠らしきものがあってもそこにお金 (研究費、売上、生活、会社の方針)が介在すればその根拠も変わってしまうことはよくあることです。根拠 を導き出すのは人です。人はお金に弱い動物です。
「抗生物質の使い方について書く医者たちは他方で、製薬会社から研究費をもらっていることがほとんどです。 そして、『抗生物質は一回か二回で十分』と書くところを、『一日数回、三〜四日使う』と書けば、将来製薬 会社の売上高は何倍にもなる。そういう構造があるところで、製薬会社の不利になることはなかなか書けない。 書けば、研究費を切られるはずです。」(『よくない治療、ダメな医者から逃れるヒント』近藤 誠著・講談社 +α文庫・P.180)

「かがく【科学】(名)ある物ごとについて、すじ道をたてて研究し、真理や法則を明らかにする学問。」 (『例解小学国語辞典』三省堂)と辞書に書いてあるとおり科学は実体ではなくある物についての真理や法則 を明らかにするだけの学問です。科学は絶対的な真理ではなく、現象や事実が絶対的な真理です。科学はその 真理を解き明かす道具にすぎません。科学的根拠とは人間が科学という道具(学問)で現象や事実がどのよう にして起こったかを明らかにしただけです。現象や事実は常に科学で明らかにされる以前から存在します。例 えば、クエン酸サイクルという細胞の中でエネルギーをつくり出す仕組みがあることを1937年にクレブスが発見 しました。大発見だということでノーベル賞を受賞しました。しかし、クエン酸サイクルは原生動物や300万年 前に人類が誕生した時から原生動物や人の細胞の中で行われていました。このようなことを発見するのだから 科学はすごいとも言えます。しかし、科学で解明する以前から体(自然)は小難しい科学知識なしでそれをし ています。これは、すごいことです。だから、私は自然(現象)の方が科学よりもすごい(優れている)ので はないかと言っているのです。しかし、ほとんどの方が体の中で起こっていることを知らないため、それを気 づかせてくれた科学をすごい事と科学で明らかにした事の方を重要かのように思っているだけではないでしょ うか。その事実や真理を明らかにするだけの学問を事実と真理よりも重要と思うことはおかしいのではないで しょうかと私は訴えているのです。
科学とアメリカの株式市場がとてもよく似ています。株価が企業の実績(真理や事実)を反映して上がり下が りしているのならいいのですが、証券アナリスト(科学者)の言った事(科学的根拠)や噂で株価が上がった り下がったりしています。企業の実績が重要なのにアナリストの発言や噂などに左右されています。現象や事 実を見ないで科学的根拠やアナリストの発言を信用している。
科学は現象や事実そのものではありません。ただの道具にすぎません。皆さんはその単なる道具を現象や事実 と勘違いして科学的根拠が重要と思っているだけです。重要なのは自然界が行う自然現象や目の前で起こって いる事実です。
「私たちは子供のころから、教科書や教育映画で『科学的にこうなる』と説明されれば納得するように、刷り 込まれている。そんなツボにはまるのでは?」(『オトナの総合学習』筑波大学 若林幹夫助教授 談・2003年 5月31日朝日新聞朝刊)

皆さんは狂牛病(BSE・牛海綿状脳症)の検査は科学的で安全だと思われていると思います。私は狂牛病(BSE・ 牛海綿状脳症)に関して100%安全ではないということをコラムに書きました。そしてこのコラムをご覧になっ た方から小社掲示板で「BSE検査合格牛の危険性を過度に評価したりする氏ですが」(小社エコロジカルな掲 示板より)と批判されました。しかし、狂牛病(BSE・牛海綿状脳症)の検査は人が介在しています。人が介在することに絶対 はありませんので私はBSE検査をあまり信じていません。小社掲示板に投稿された方や皆さんはBSEの 検査が科学的であたかも100%確実にBSE罹患牛を探し出すことができるように思われている方々がほとんどだと 思いますが、人間が検査をすることです。確実ということは絶対にありません。献血の血液検査でB型肝炎ウイ ルスが高感度検査をすり抜けて、その血液を輸血された女性が劇症肝炎を引き起こし死亡していたことが報道 されていました。これと同じことがBSE検査でも起こらないという保証はありません。「事実は小説より奇なり」 といいます。けれど、小社掲示板に投稿された方をはじめとして、国の言うことや大手メーカーの言うことを 信じる方のほうが圧倒的に多いはずです。でも、国や大手メーカーはごまかしをするので私は信用していない という事実を書きます。
BSEの検査がはじまり、検査をしていない肉は店頭に並ばないようにと国はBSE検査がはじまる以前の肉は業者 に回収させて国が買い取ったから店頭に絶対に並ばず安全と国は発表していました。しかし、これが真っ赤な ウソだったのです。肉の生産業者に国は「検査前の肉で高い物はそのまま回収せずに売って下さい。安い肉だ けを出して下さい。」とペットフード業者にトン単位で売る安い肉を国は1kg当たり1,400円位で買い取るよう に指導して歩いていたのです。そのため検査前の肉も店頭に並びました。このようなことをしているから、私 はBSE検査が科学的でも人が介在しますから信用していません。その上、狂牛病(BSE・牛海綿状脳症)の検査だ って人間が「こういう検査をするから安全だろう」と推論しただけです。自然界が出す答えは1つであり絶対で す。しかし、狂牛病(BSE・牛海綿状脳症)の検査はあくまでも人間が考えて多分こうすれば安全だろうと推測 しただけで絶対的方法ではありません。BSEに罹患しても発病は数年後ですから真実の答えは数年後にしか出て きません。いくら科学的な検査でも人間が介在することですから手違いや気のゆるみ、故意にということもあ り絶対はありません。だから私は自然界が出す答えは信用しますが人間が出した科学的根拠はあまり信用して いません。特に国、企業側の科学的根拠のほとんどは信用できません。
「科学を絶対的なものだという風に盲信すると危ない結果を招く危険性がある。」 (『バカの壁』養老孟司著・新潮新書・P.28)

「合成洗剤と石けんはどちらが環境に優しいか?」とか「電磁波は安全か危険か?」、「牛乳は日本人に必要 か必要でないか?」など科学的な答えは1つではなく2つは必ず出てきます。こんなことすら科学は1つの答えを 出すことができません。これが皆さんが絶対的で何にでも答えが出せると思って信用している科学です。現代 の科学は、いつも国や企業側の科学と国民や消費者側の科学があり、国(既得権益・天下り)や企業(お金)が 絡む事に関して科学的な答えも2つは出てきます。いくら科学とはいえ人とお金が絡むとこれほど根拠が曖昧に なるのですから科学的とはいえなくなります。こんな曖昧な科学的根拠だからこそ私はすべての科学的根拠を 信じることが出来ません。
それと消費者側も科学的という言葉に弱いという問題もあります。ある科学者に質問をしたとします。しかし、 その質問は現代の科学でも、まだよく分からない事だったので、その科学者は「あくまでも私の推測ですが」 と言って答えたとします。どうしてそのような推測になったかを説明しはじめると、自分の推測したことが正 しいかのように断定した答え方を科学者がしたとしたら、ほとんどの方は科学者が科学的根拠のない答えを出 しても科学的なことを言う人だからと思って信じてしまいます。このように人は科学的という言葉に非常に弱 く、科学的と言われるだけで信じてしまいます。頭のいい優秀な科学者だからといって必ず正しいことをする とは限りません。科学者も人間です。家族の生活を守らなければならないし感情や思想もあります。だからこ そ自分の得意とする科学を武器にして人を攻撃することも、自分が有利になる根拠を導き出すこともできます。 科学のすべてが正義とは必ずしもいえません。
国や大手メーカーが出した科学的根拠や発言は間違いないとほとんどの方は信じておら れると思います。しかし、この世の中には我田引水のような科学的根拠や発言もたくさんあり、科学的根拠の すべてに真実の科学的根拠があるとは限りません。昔、出された科学的根拠が間違いだったことが明らかにな ることもたくさんあります。科学は正しく高度な学問と学校で刷り込まれていますからほとんどの方は正しい と信じます。そのような消費者心理を利用して自己利益の為に科学を使うことが行われています。大手メーカ ーの発言や科学的根拠を全面的に信じるのではなく、あくまでも科学的根拠は参考にするだけで自分の体で感 じ、確かめることが重要です。
フロンガスのように無害・無公害と言われていた物がとんでもない有害物質だったり、ベーターカロチンがガ ンを予防することに有効といわれていましたが、実際にベーターカロチンを摂取してみれば、むしろガンが増 えるということが分かったり、製薬会社が新薬を開発する時に、その新薬の安全性を動物と人とで実験をして確認 しましたが、その動物と数十人単位の人での実験では安全とされた薬が実際に病院などで処方されはじめ千人、 万人単位の人が使いはじめると副作用が出てくることがあります。ごく限られた範囲で実験をして安全や有 効という科学的根拠を出しても後で色々と問題が起こってくるというようなことはたくさんあります。人間の 浅知恵で「こういう実験をすれば安全を確認できるだろう」とか「この実験では有効だった」と考えただけで す。宇宙の智恵、自然の営みに比べるとほんとうに人間の行う事、考えることは小さなものです。特に科学者 は全体でものを見るのではなく自分の得意(専門)とする分野でしかほとんど見ていません。しかし、そのよ うな小範囲の考え方をする人たちは科学は何でもできる最高のものと思い込み、病気も食糧問題も遺伝子操作で 解決するかのように思い込み、この宇宙の法則も自分が変えられると思う自惚れが将来とんでもないことに発 展するように思えてなりません。薬ではないですが「科学は恐れて使う」という考え方を科学者には持ってい ただきたいと切に思います。
「彼ら(証券アナリスト)のご託宣は、中立を装いつつも多くは背後で誰かの利益を代弁している。そんなあ やふやな情報で、一般家計がカモにされているのだ。」(『フォーチュンテラーズ・偽りの予言者たち』ハワ ード・カーツ著・ダイヤモンド社の書評、評者 松原隆一郎・2003年9月7日朝日新聞)



エコロジカル・ヘルシーショップ三友 桧垣史郎
2003年9月
 
 
 
引用・参考文献
『オトナの総合学習』筑波大学 若林幹夫助教授 談・朝日新聞朝刊 2003年5月31日
『科学してますか?』 2003年1月26日の朝日新聞朝刊
『バカの壁』養老孟司著・新潮新書
『よくない治療、ダメな医者から逃れるヒント』近藤 誠著・講談社+α文庫
『例解小学国語辞典』三省堂
書評・評者 松原隆一郎・2003年9月7日朝日新聞
『買ってはいけない』船瀬俊介・三好基晴・山中登志子・渡辺雄二共著・週間金曜日
エコロジカル・ヘルシーショップ三友 掲示板



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