− 『牛乳読本』を読んで − 

 
お子さんに食物アレルギーがあるという方が『牛乳神話完全崩壊』(外山利通著・メタモル出版)を読まれ た後に、『牛乳読本』(土屋文安著・NHK出版)を読まれ、訳が分からなくなったとメールをいただきまし た。そして私に『牛乳読本』(土屋文安著・NHK出版)を読んで感想を聞かせてほしいと書かれていました。 そこで牛乳推進本である『牛乳読本』を読んでみました。

最初に「牛乳は完全食品か」というところで「各種栄養素が最もよいバランスで含まれている食品です。」 (『牛乳読本』土屋文安著・NHK出版・P.18)とかかれています。この「各種栄養素が最もよいバランスで含ま れている」とは何を根拠にバランスがいいと言っているのかはわかりません。しかし、バランスがいいと言わ れれば人にとっていいように勝手に思い込んでしまいます。牛乳に含まれている栄養素と人の母乳に含まれて いる栄養素の含有量はかなり違います。そのため、人の乳と牛の乳の栄養素のバランスはかなり違います。も しも、牛乳の栄養バランスが人間にとってバランスがいいのであれば、人の母乳は人にとってバランスが悪い ということになります。乳業メーカーは赤ちゃん用の粉ミルクを製造しています。この粉ミルクは人の母乳の 栄養バランスに近づけるため脱脂粉乳に栄養素を添加して製造しています。ほんとうに牛乳が人にとって栄養 のバランスが最もいい食品ならば牛乳をそのまま赤ちゃんに与えれば済むことなのに、わざわざ栄養素を添加 して人の母乳に近づけているということは牛乳は人にとって栄養素のバランスが悪いということになると思い ます。そして、『牛乳読本』のP.18に「牛乳に鉄分がなければ、肉を食べればよいのです。牛乳にビタミンC がなくても、フルーツを食べればよいのです。」とあります。しかし、よく考えれば牛乳を飲まずに肉とフル ーツを食べておけば十分な栄養は摂れます。そこに、わざわざ牛乳を飲まなければならない理由はありません。 P.19に「それでは、牛乳の栄養学的価値はどこにあるのでしょうか。飽食の栄養失調を防ぐことです。」とあ りますが、飽食といわれる時に多く摂っているのは肉や乳製品などの動物性食品です。だからこそ、心臓病、 ガン、糖尿病、肥満、骨粗鬆症などの贅沢病(生活習慣病)が増えているのです。日本人とアメリカ人で、こ の贅沢病を患っている割合はほとんど変わりません。しかし、若年層では日本人の方が悪いそうです。 (『スリムになって若返る7つの法則』ハービー・ダイヤモンド著・弓場 隆訳・青春出版・P.78)この贅沢病 (生活習慣病)は動物性食品が最大の原因です。
飽食の栄養失調を防ぐには野菜などの植物性食品です。 特に牛乳にはビタミンC、Eはほとんど含まれていませんし、ビタミンDはまったく含まれていません。このよう な偏りがあるのですから尚更のこと動物性食品過多の時に動物性食品の牛乳を与えれば益々、飽食の栄養失調 に陥ります。「各種栄養素が最もよいバランスで含まれている食品です。」(P.18)と書かれていますが、人の 母乳よりも牛の乳の方がバランスがいいのなら、犬の乳や猫の乳もバランスがいいのではないでしょうか。牛 よりも身近にいるので乳がいる時には直ぐに飲めて新鮮です。しかし、新鮮な乳を飲むには犬や猫に常に子供 を産まさなければなりません。乳牛を含む哺乳動物は子供を生んでその子供が赤ちゃんの時にしか乳がでませ んので、常にその犬や猫に子供を産ませておかないと乳が飲めません。もしも、そのようなことをしたとして も犬や猫の乳は人が飲む乳とはだれも思ってはいないはずです。乳牛の乳も同じです。人間が飲む必要のない ものです。「各種栄養素が最もよいバランスで含まれている食品です。」などと皆さんは洗脳されているので す。乳はその動物の赤ちゃんにとって必要な栄養素がバランスよく含まれているのであって、人のために牛が 体の中で人間用と牛用に栄養素をバランスよく調整しているのではありません。牛の乳は牛の赤ちゃん用に つくられているのであって、人が本来飲むものではないのです。ましてや授乳期を過ぎた学童や大人 は尚更のことです。学校給食や病院食のように必ず牛乳を添える必要はまったくありません。牛の乳(牛乳) は人にとっては必須の食品ではありません。

「嗜好のおもむくままに飽食をすれば、新たな栄養失調を招きかねません。生活習慣病などは、この栄養失調 ということもできます。」 (『牛乳読本』土屋文安著・NHK出版・P.19)
「生活習慣病などは、   」と書いてありますが、この生活習慣病の最大の原因 になっているのが牛乳のような酪農製品なのです。2003年10月26日付の朝日新聞に『動脈硬化を防ぐには〜ま ずは生活習慣の改善から』という講演をまとめた特集がありました。その中で京都大の 北 徹教授が「動脈硬 化を含む心疾患と脳血管疾患による死亡を合わせると、日本人の死因の約3割を占めます。がんとほぼ同数で す。動脈硬化が起こりやすいのは心臓や首、頭、足の血管です。原因になるが血液中のコレステロール。 (中略)食生活などのバランスが崩れて悪玉コレステロールが増えた。」と言われ「患者の中に『コレステロ ールが高いから肉も卵も何でもかんでも止めましょうか』と言う人もいますが、これは極端です。少しずつで も毎日食べるのがよくないのです。たまに食べるのは全然構わない。」と発言されていました。そして『更年 期の高脂血症どうすれば?』では、「その意味からも、動物性の食事をとる量などを前もって自分で加減して いくことです。」という発言がなされていました。私もまったく同感です。要するに、酪農製品をほ とんど摂らなかった食生活から酪農製品を多く摂る食生活に変わったために動脈硬化など日本人の死因の3割を 占めるほどの原因になったということです。その酪農製品である牛乳をほとんどの方は毎日少しずつ飲んでい ます。北教授が言われるように毎日少しずつ摂るのが悪いのですから、その点から言っても牛乳は人の健康に 一番悪い飲み物ではないでしょうか。しかし、動脈硬化の原因になる動物性食品の代表である牛乳が病院食と して出されているのは問題があるのではないでしょうか。動物性食品が悪いのなら牛乳を出すのを止めるべき です。

牛乳に含まれているコレステロールについて『牛乳読本』にはこのように書いてありました。 「コレステロールは危険物質でしょうか。実は危険どころか、生命維持になくてはならない大切な物質です。」 (『牛乳読本』土屋文安著・NHK出版・P.53)とコレステロールは体には必要不可欠なものだと書いてあり、コレステロールは悪くないかのような錯 覚を起こさせます。しかし、現在はそのコレステロールの摂りすぎで、色々な問題が起こっているから医療機 関はコレステロールの摂りすぎに注意を促しているのです。人体に必要なコレステロールは人体で生合成され ていて、食品から必ず摂り入れなければならないわけではありません。「それほど重要なコレステロールなの ですが、それを私たちが動物性食品を食べて、体の外から摂取した場合、そのコレステロールは私たちの体に とって何の役にも立ちません。それどころか、そうして摂取したコレステロールは人体に害を及ぼしてしまう のです。」(『スリムになって若返る7つの法則』ハービー・ダイヤモンド著・弓場 隆訳・青春出版・P.72) 確かにコレステロールは体に必要な物ですが「過ぎたるは及ばざるがごとし」といいます。必要なものでも 多すぎると害を及ぼします。「コレステロールは自家生産したものだけが有効利用されるのです。」 (『スリムになって若返る7つの法則』ハービー・ダイヤモンド著・弓場 隆訳・青春出版・P.128)と書いて あるように食品から摂り入れたコレステロールは害を及ぼします。

『牛乳読本』にコレステロールは「コレステロールを含む食品は、ほとんど動物性食品です。」(P.56) と述べてあります。『スリムになって若返る7つの法則』(ハービー・ダイヤモンド著・弓場 隆訳・青春出 版・P.70)には「コレステロールの発生場所、それはこの広大な宇宙の中のたった一つの場所、動物の体内で す。コレステロールは動物の肝臓や細胞で作られます。」とコレステロールは動物の体内でしかつくられない ものだと書いてあります。そのため動物食品を摂れば必ず余分なコレステロールを摂ることになります。しかし、牛乳のコレステロ ールは身体に必要不可欠なもののように、うまくごまかしています。動物性の脂肪は固まりやすい飽 和脂肪酸の割合が多く、その反対に和食でよく食べる小魚や貝などは固まりづらい不飽和脂肪酸です。牛乳は 動物性脂肪で飽和脂肪酸の割合が多いため動脈硬化などになりやすくなります。京都大の北教授は「動物性脂 肪を多く摂取しているためコレステロールの増加が著しいのです。」と言われています。同じタンパク源でコ レステロールの少ないみそ汁の方が牛乳よりも健康のためにはいいように思いますが、この『牛乳読本』はコ レステロールは体に必要なものと書き、うまくごまかしていて牛乳のコレステロールがいかにも良いかのように 勧めています。そして、コレステロールは食べ物から摂取される量よりも体で合成される量の方が多いと書か れているのですが(P.55)、それなら尚のこと飲む必要のない牛乳からわざわざ余分なコレステロールを摂る必 要はないと思います。

「牛乳を高脂血症の患者に与えた実験をしたところコレステロール値は健常者と違いがなかった」(『牛乳読本』 土屋文安著・NHK出版・P.59)と書 かれています。しかし、医療の現場では高脂血症の患者さんには脂肪の多い普通の牛乳はなるべく飲まないよ うに指導していて、飲むのだったら低脂肪乳を勧めています。(アメリカやヨーロッパでは日本のように脂肪 の多い牛乳はほとんど飲まれていません。低脂肪乳が主流です。)この実験に使用した牛乳がどのような牛乳 かは書いてありませんでしたのでわかりませんが実験に使った牛乳は低脂肪乳だった可能性もあります。 2003年10月26日付朝日新聞の特集『動脈硬化を防ぐには〜まずは生活習慣の改善から』で京都大の北教授は 「エネルギー摂取量に占める脂肪エネルギーの割合を見ると、50年ごろは7%程度でしたが、現在では25%程度と 増加しています。しかも、動物性脂肪を多く摂取しているためコレステロールの増加が著しいのです。」と動 物性脂肪の摂取増がコレステロールが増える原因となっています。そのため動脈硬化や心疾患などが原因で死 亡する人とガンで死亡する人の数がほぼ同数になりました。ガンや動脈硬化などの疾患は動物性食品が最大の 原因です。それをいかにも動物性食品である牛乳はまったく関係ないかのような書き方をしてごまかしていま す。
「豊富な臨床経験に基づいて正しい栄養摂取の方法を指導する栄養教育の世界的権威マイケル・グランバー 医学博士は、四大食品群という食事指針についてこう言っています。『四大食品群という贅沢な食生活のつけ は、病気と医療費の激増、労働生産性の激減という形となって回って来る。もし栄養学者が一九五六年の時点 で未来を見通す水晶玉をのぞいていれば、高脂肪の肉や食物繊維を含まない乳製品を中心とした現代の食生活 によって多くの国民が冠動脈を詰まらせて集中治療室に入院したり、大腸を手術で切り裂かれたり、動脈のバ イパス手術を受けたりする様子を見ることができただろうから、このような食事指針を作成することはなかっ ただろう。』」(『スリムになって若返る7つの法則』(ハービー・ダイヤモンド著・弓場 隆訳・青春出版・ P.191)

「牛乳はカルシウムの供給源として最も重要な食品です。」(『牛乳読本』土屋文安著・NHK出版・P.94)と書 いてありますが、カルシウムが不足して いるのは何故か牛乳などの酪農製品や添加物たっぷりの加工食品を多く摂っている国に多い。 裕福な先進国は酪農製品や加工食品を多く摂る傾向にあります。中国にハンバーガーショップなどのファース トフード店がオープンするなど、収入が増えると酪農製品や加工食品、清涼飲料水、コーヒー飲料などを摂り 始めるようになります。今までは中国に骨粗鬆症は少なかったのですが、酪農製品などを食べ始めると確実に 骨粗鬆症が増えてきます。このことは将来、歴史が証明してくれます。今後の中国に注目しておいて下さい。 酪農製品や加工食品をあまり摂らなかった国々(以前の中国など)のカルシウム摂取量は1日300mgから400mg くらいですが、カルシウムは不足していません。
カルシウムを排出する食品とは動物性タンパク質とコーヒーやコーラなどカフェインを含む飲み物や降圧剤 などの薬、そして食パンなどに添加してあるフィチン酸などの食品添加物です。これらの食品はカルシウムの 吸収を阻害しカルシウムを体から排出します。
世界で一番牛乳を飲んでいるフィンランドの人々は、骨は丈夫で骨折は少ないと思うのですが、まったく正 反対で世界でも有数の骨折国です。(スウェーデン・オランダも同様に骨折率の高い国です)
日本は火山国だから農作物にカルシウムが少なく、カルシウム不足になるといわれています。対照的にヨー ロッパは硬水地帯でカルシウムを多く含んだ土地なので、収穫される農作物はカルシウムをたくさん含んで いるはずです。牛もカルシウムを多く含んだ草を食べていれば、搾られる牛乳もカルシウム豊富なものだと思 います。カルシウムたっぷりの農作物を食べ、カルシウムたっぷりの牛乳を沢山飲んでいるので、これらの国 の人々は常識ではカルシウム不足とは思えません。しかし、現実は骨折率が高いのですからカルシウムの摂取 不足で骨粗鬆症になるのではないということがはっきりしたと思います。
「『骨粗鬆症は、カルシウム摂取が非常に多く、しかもそれらをタンパク質の豊富な酪農製品からとっている 地域に生じる傾向がある』と、コーネル大学栄養生化学のT・コリン・キャンベル博士が述べている。」 (『ぼくが肉を食べないわけ』ピーター・コックス著・浦和かおる訳・築地書館・P.14)

「現在の日本人の食生活からみて重要なのは、まず第一にカルシウムです。次いで牛乳の重要な栄養的役割は、 良質な動物性タンパク質」(P.19)と書いてありますが、カルシウムが何故、日本人に一番重要な栄養素かは書 いてありません。一般的に日本人は他の栄養素は足りているが唯一不足しているのがカルシウムだと言われて います。日本ではカルシウムを1日600mgとるように指導していて、欧米などの先進国はカルシウム摂取量が 1日に1000mgから1200mgにもなります。(日本で1日のカルシウム摂取量は1946年ごろは250mgくらいで1950年 代は300mgくらいでしたがカルシウム不足で骨折や骨粗鬆症になる人はほとんどいませんでした。)骨粗鬆症 は高齢者のものと思われていますが、今は若い人にも広がっていて「最近、若い女性の骨粗鬆症が話題を呼ん でいます。」(P.82)、「一九歳から二十三歳の女性で、六〇歳代の骨密度しかない人が一八%もいたというの です。」(P.93)というように昔では考えられなかった事が若い人の骨に起こっています。何故、このようなこ とになったのでしょうか。本当にカルシウムの摂取量が不足してこのような事が起こっているのでしょうか。 カルシウム不足が原因と言われても、昔は300mgくらいで良かった物が、いくら背や体が大きくなったからと 体は倍もカルシウムを必要としていないように思います。この答えはカルシウムの摂取量が不足している のではなく、カルシウムを排出する食べ物(肉や牛乳など)を多く摂取しているからです。その上にカルシウ ムを排出するカフェインを含むコーヒーやお茶などを会社や家庭、通勤中や運転中に1日に数杯も飲む。コー ヒーなどを1日に2杯以上飲むとカフェインの作用で排出されたカルシウムを補うために800mgのカルシウムを 摂取しなければならないという研究結果もあるそうです。このことを証明するかのように一人当たりのコーヒー 消費量が多い国は骨折率の高いフィンランドで、その次にスウェーデンとなっています。カルシウムが不足し ていると言われていますが、カルシウムの摂取量が不足しているのではなく、カルシウムを体から排出する酪 農製品やカフェイン飲料、食品添加物の摂取量が多いためカルシウム不足に陥ってしまっているというのが真 因だと思います。

「良質な動物性タンパク質」(『牛乳読本』土屋文安著・NHK出版・P.19)と書いてありますが、動物性タンパク質はなぜ良質なのでしょうか? 大豆も同じように良質なタンパク質なのですが何故、牛乳なのでしょうか。同じ良質なタンパク質をつくるの に大豆は畑に植えて肥料を施すだけ、保管も冷蔵庫なしで長期間できますが、肉や牛乳は、この大豆など穀類 を大量に牛に与えて人が付きっきりで世話をして、搾乳や屠殺、牛乳の紙パック詰めや肉のサバキをして小売 店に運び、トレーなどに盛りつけます。その間中、冷やしておかないと傷みますので化石燃料も大量に消費し ます。そして、やっと肉や牛乳が販売できるので、これほど生産性の悪いものはないと思います。「1000uの耕 地から採れるタンパク質の量は大豆が39.9sであるのに対して牛肉は2.2sです。」(『早く肉をやめないか?』 船瀬俊介著・三五館・P.234)  穀物を牛に与えて良質といわれるタンパク質の牛乳をつくるよりも、大豆を料理 して直接食べたり、大豆から豆乳をつくって飲んだ方が二酸化炭素の発生源でもある牛が減るので地球環境の ためにも、牛や人の健康のためにもいいように思います。みなさんの中には乳牛は何もしなくてもお乳が出る ように思われている方がおられると思います。でも、乳牛は哺乳動物です。哺乳動物は出産しなければお乳が 出ません。乳牛(乳牛という呼び方は人が勝手にそう呼んでいるだけです)も例外ではありません。出産しな い限りお乳は出ません。そして、出産をしたため出てきたお乳は子牛のためのお乳なのですが、そのお乳を横 取りして牛乳を生産します。乳牛から常にお乳を出させるためには常に子牛を生まさなければなりません。 そのため子牛を出産したらすぐに妊娠させます。乳牛の体に負担のかかることを繰り返すために乳牛の寿命は 短くなります。これは一種の動物虐待です。そこまでして、牛乳を飲む必要があるのでしょうか。

人の体はうまくできています。「腸の内壁の腸皮細胞は、毎日はがれ落ちていくし、食事をするたびに、消化 酵素が分泌されるが、これはもちろん、タンパク質からつくられている。じつは腸内細菌は、このはがれた腸 皮や酵素タンパクを分解してアンモニアやアミノ酸に変える働きをしているのである。こうして、使用ずみの タンパク質からつくられたアミノ酸は吸収され、体内にはいって、ふたたびタンパク質として合成されて体を つくるのに役立っているというわけだ。このように腸内細菌は体内のタンパク質をリサイクルして使えるよう にしてくれているのだが、その量はなんと八〇グラムもあるという研究報告もある。」(『腸内革命』森下 芳行著・ダイソー文庫・P.148)WHOは成人のタンパク質摂取量を1日当たり0.6g/sとしています。60sの人だ と36gということです。日本では第6次栄養所要量は男子70g、女子55gとなっています。これはアメリカのタン パク質摂取量よりも多くなっています。WHOが示している数値の約倍です。日本人はアメリカ人よりも小さい のに何故タンパク質の所要量が多いのでしょうか。この所要量は何を根拠に算出しているのでしょうか。国民 栄養調査では日本人の実際のタンパク質摂取量は80gとなっていて、所要量よりも多くなっています。これほ どタンパク質を摂っているのですからタンパク質をわざわざ牛乳から摂る必要もないと思います。一つの栄養 素をこれほど多く摂取していることをバランスが悪いといいます。
今の若者はハンバーガーなど動物性タンパク質を含む食品を好んで食べ、野菜などはほとんど食べないという 傾向にあります。 『牛乳読本』(土屋文安著・NHK出版・P.19)にも現在の食生活について「嗜好のおもむくままに飽食をすれ ば、新たな栄養失調を招きかねません。生活習慣病などは、この栄養失調ということもできます。」と書い ています。しかし、牛乳は野菜の変わりにはなりませんし、野菜を摂らない現代人に不足している繊維質もあ りません。このような状態で牛乳を飲めば益々「新たな栄養失調を招きかねません。」という状態に 陥ります。この本ではうまくごまかしています。もう一度書きます。「生活習慣病の最大の原因は 乳製品や肉などの酪農製品を摂るためです。」

よ〜く考えてみてください。自然界にいる野生草食動物は赤ちゃんの時こそ母乳を飲みますが(肉食動物も 母乳に関しては草食動物と同じです)、6ヵ月後、離乳した後には絶対に肉や乳製品は摂りません。良質なカ ルシウムやタンパク質は肉や乳製品が優れているのなら野生の水牛や馬、象、ゴリラなど大きく筋肉の発達し たこれらの草食動物はどこからカルシウムやタンパク質を得ているのでしょうか。答えは果物や草などから です。野生の草食動物には誰も「動物性食品の摂取量が少ないためタンパク質が足りませんよ」とか「乳を飲 まないからカルシウムが不足して骨粗鬆症になりますよ」とは言いません。何故でしょうか。実際に野生草食 動物にはタンパク質やカルシウムの不足が生じていないからです。野生草食動物はカロリー計算は出来ず、ど のような栄養素があるのかも知りません。ですが、太っている動物や骨粗鬆症の動物はいません。至って健康 です。その反対に人間はカロリー計算をしたり、栄養素のことも知っているのに太っている人や骨粗鬆症など になり不健康です。これは人間の頭(実験室や机上の空論)で考えた栄養学や科学の間違いを証明しているよ うなものです。なんと人間は愚かなのでしょうか。栄養素や人間の身体のことなどを知っていると自負してい るのに、何も知らない野生動物よりも劣っていたとは、悲しいことです。
「陸上のカール・ルイスやエドウィン・モーゼズ、ボディービル世界チャンピオンのアンドレアス・カーリン グをはじめ、世界の一流スポーツ選手の多くが菜食主義者です。」(『スリムになって若返る7つの法則』 ハービー・ダイヤモンド著・弓場 隆訳・青春出版・P.136)

カルシウムが不足しているからカルシウムの多い牛乳などを摂るようにという情報は多いのですが、カルシウ ムを排出する食品や薬の情報はほとんど紹介されません。いくらカルシウムをたくさん摂っていてもカルシウ ムを排出する酪農製品やコーヒーなどを摂っていればカルシウムは不足します。先進国ほどカルシウムを排出 するこれらのものを多く摂っています。カルシウムの摂取量が足らないというのではなく、この排出するもの を摂らないように指導することの方が牛乳を飲みなさいと指導することよりも重要なはずです。1950年代の日 本ではカルシウムを排出する牛乳や肉などの酪農製品や、コーヒーやコーラなどのカフェイン飲料、フィチン 酸などの食品添加物をほとんど摂っていなかったため1日のカルシウム摂取量が約300mgで十分足りていたとい うことが理解できると思います。
『スリムになって若返る7つの法則』(P.148)に「これが骨粗鬆症を引き起こす意外な要因」と骨粗鬆症が 何故起こるのかが記述してありますので紹介します。 1.たばこ  2.アルコール  3.カフェイン  4.清涼飲料水  5.塩分  6.制酸剤   7.運動不足  8.日光にあたらないこと。そして、P.152に「乳製品が人間に与える影響」が記述してあり ますので紹介します。1.関節炎  2.白内障  3.コレステロールと脂肪  4.乳製品は消化の悪い 食品です  5.中耳炎などの耳の炎症  6.文化的背景  7.頭痛  8.心臓病と糖尿病  9. 前立腺がん  10.呼吸器病  11.乳幼児突然死症候群  12.甲状腺機能低下症  13. 潰瘍性大腸炎  14.胃潰瘍、十二指腸潰瘍。詳しくは『スリムになって若返る7つの法則』 (ハービー・ダイヤモンド著・弓場 隆訳・青春出版)をお読み下さい。
小社のお得意さまのお子さんが「多発性硬化症」という病気になられたということを最近知りました。この 多発性硬化症は神経が徐々に悪化し、筋肉の機能も異常をきたし立てなくなるかもしれないという難病です。 ミシガン大学のバーナド・アグラノフ博士とデイビット・ゴールドバーグ博士が多発性硬化症で死亡した 約26,000人のアメリカ人と海外の死亡者を調べた結果、牛乳の消費量ともっとも関係があることが分かったそ うです。しかし、どうして牛乳を多飲すると発症するかはまだ解明されていないそうです。日本でも最近、 増えてきているそうです。(『牛乳には危険がいっぱい?』フランク・オスキー著・弓場 隆訳・東洋経済新報 社・P.115)多くの病気の元になる牛乳を嗜好品として飲むのならいいのですが、毎日、学校や病院で必須食 品のようにしてまで摂る必要のない食品です。

「良質な原料牛乳が得られるようになれば、低温殺菌やHTSTでよいのではないかという意見はもっともです。 しかし、牛乳が大量に広域に流通する時代になると、日持ちのよい製品が流通上望まれることや、長年口に親 しまれた味を変え難いことなどから、今もUHT殺菌乳が主流となっているのです。」(『牛乳読本』土屋文安 著・NHK出版・P.165)と書いてあり、UHT殺菌(超高温殺菌)の正当性を訴えています。しかし、これは生産 者側や販売側の都合での理論で消費者のためではありません。このように日本で流通している牛乳は殺菌のた めの熱処理がしてありますが、熱処理をした牛乳だけを与えられた子牛は死んでしまうことが複数の研究で分 かっているそうです。殺菌のために熱処理をした牛乳は栄養価が低下していることの証です。母親の乳房から 直接、乳を飲むことは哺乳動物の共通した行為です。乳房から直接飲んではじめて乳に含まれる栄養価値を享 受できるのです。ですが、この本では販売者側にとって都合のいいことを消費者のためかのようにうまくごま かしています。

以前、「ご飯を食べるとバカになる」と慶応大学医学部の林教授が発言して米離れが進み、 パン食が増えました。でも、最近、ご飯が健康のために良いと、米の良さなど日本食が見直され始めました。 これと同じ事が牛乳など動物性食品でも起こるようになる気がします。牛乳や肉を良しとして勧めてきた学者 や国の言っていることがウソだったことが明らかになることが近い将来、必ずやって来ます。アメリカ農務省 は1996年に肉、魚、乳製品などの「動物性食品は不必要」と発表したそうです。(『スリムになって若返る7 つの法則』ハービー・ダイヤモンド著・弓場 隆訳・青春出版・P.191)日本もいずれこうなると思います。

この『牛乳読本』を読んで一番感じたことは、販売者側にとって都合がいいように消費者をごまかしている こということです。そして、何をおいても、先ず、牛乳ありきの発想で書かれています。『スリムになって若 返る7つの法則』(ハービー・ダイヤモンド著・弓場 隆訳・青春出版・P.190)に「一九五六年にアメリカの農 務省が発表した四大食品群(第一群=肉、魚、卵 第二群=乳製品 第三群=野菜と果物 第四群=穀物)と いうのは、四大食品業界の利益確保のために考案されたスローガンです。農務省の使命は国民の健康管理では なく、すべての農産物の在庫の一掃です。そのために栄養士を利用して、国民がバランスよく様々な食品を消 費するためのスローガンを発表したというわけです。」と書かれています。これはどこかの国の農水省とまっ たく同じです。この本は第二群の消費を促すためです。例えば、事件が起きた場合、身内の意見は採用され ません。この『牛乳読本』の著者は元、乳業メーカーに勤めていた方です。いわば乳業メーカー の身内のようなものです。乳業メーカーの身内であるこの著者のいうことが真実だという保証はありません。

「キャンベル博士は菜食主義と健康の関係についてはっきりこう言っています。『要するに、人間は菜食主義 に近づけば近づくほど健康になれるし、遠ざかれば遠ざかるほど病気になって苦しみ、寿命が縮まるのである』 これが栄養学の世界的権威の言葉です。」(『スリムになって若返る7つの法則』ハービー・ダイヤモンド著・ 弓場 隆訳・青春出版・P.98)

「菜食主義への移行ほど健康と長寿に有効な方法はない」アルバート・アインシュタイン (ノーベル物理学賞受賞)」(『スリムになって若返る7つの法則』ハービー・ダイヤモンド著・弓場 隆訳・ 青春出版・P.186)



エコロジカル・ヘルシーショップ三友 桧垣史郎
2003年11月
 
 
 
引用・参考文献
『牛乳読本』土屋文安著・NHK出版
『牛乳神話完全崩壊』外山利通著・メタモル出版
『動脈硬化を防ぐには〜まずは生活習慣の改善から』2003年10月26日付朝日新聞
『早く肉をやめないか?』船瀬俊介著・三五館
『スリムになって若返る7つの法則』ハービー・ダイヤモンド著・弓場 隆訳・青春出版
『腸内革命』森下芳行著・ダイソー文庫
『牛乳には危険がいっぱい?』フランク・オスキー著・弓場 隆訳・東洋経済新報社



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