− 乳がん検診は有効か? − 

 

「マンモグラフィーが当のイギリスやアメリカで乳ガン検診の主役であり、導入後、乳ガン死の激減に貢献 している」
(コラムを批判された方からのメール)
マンモグラフィーは、イギリスやアメリカでは確かに乳がん検診の主役でしょうが、それだけで乳がんが激減 したというのは間違いだと思います。日本の病院にもマンモグラフィーをすでに導入しているところがある と思います。マンモグラフィーを積載した検診車もあります。その病院や検診車のマンモグラフィーで乳が んが発見された患者さんの死亡率は激減しているのでしょうか。
乳がんの検診と治療は別なものです。いくら検診の精度が上がって、早期乳がんの発見が増えたからといって も、乳がんの治療法が旧態依然としていては乳がんでの死亡が減るどころか増えるのではないでしょうか。 マンモグラフィーを導入する以前に病院間での治療の格差をなくすなどの準備をしてから行うべきだと思 います。



私のコラムを批判された方が
「食事をごはん食に切り替えれば乳ガンの死亡率が減るというデーター的根拠はありません」
(コラムを批判された方からのメール)
と書かれていましたが、今度は私がコラムを批判された方に「既存の乳がん検診を マンモグラフィーに切り替えただけで乳がんの死亡率が激減したというデーターはありますか?」と 問いたいと思います。
ある医療関係のホームページに「乳がん検診にはマンモグラフィーを用いるのが国際 標準です」と書いてありました。そして、マンモグラフィーなどの検査機器の導入ばかりが叫ばれて います。その理由は、乳がん検診に海外ではマンモグラフィーを導入して乳がんの死亡率が下がっているから ということで、日本もマンモグラフィーを導入すれば死亡率が低下するかのように国や医療関係者はいってい ます。マンモグラフィーが国際標準ならば、日本でおこなわれている治療は国際標準なのでしょうか。私には そうは思えません。



アメリカでは、治療法などの最新の治療情報はインターネットで逐次配信されている上に、アメリカ国立衛生 研究所(日本での厚労省と同じ)に代替医療部がつくられ、13の州で代替医療に保険が使えるようになってい ます。 代替医療と従来の医療の両方を組み合わせた総合医療も受けられ、抗がん剤や放射線の専門医が多く、それら の専門医が外科などとチームを組み、治療にあたります。そのようなアメリカの医療と比べ日本の医療現場で はどこの病院に行っても同じ質の治療が受けられないなど病院や地域差による治療格差がかなりあります。

マンモグラフィーを扱う技師の技量や読影に習熟した者が少ない。
アメリカと違い抗がん剤や放射線の専門医が極端に少ない。
抗がん剤治療も外科医が片手間に行っているので副作用が多い割に治療効果が少ない。
がん治療に海外では標準治療薬として使われている薬が日本では製薬会社を守るために使えない。

など上記のように日本の医療は検査技術や治療が未熟で遅れています。このような中で精度のいいマンモグラフィーを導入するということは、導入前よりも多くの人が検診でがんが見つかるようになりアメリカよりも医療体制が遅れているためマンモグラフィーを導入する前よりも多くの人が大きなリスクを背負うことになります。以上のような環境でマンモグラフィーを導入して乳がんの死亡率が下がるものでしょうか。むしろ以前よりも不幸が増えるような気がします。 検査だけは国際標準を叫び、患者を見つけて治療をするが、その治療法が かなり遅れているというのなら死亡率の低下は望めません。マンモグラフィーの導入は死亡率の低下が目的 ではなく、もっと多くの患者を探し出す手段だと思います。みなさんが脂肪の少ない食事を摂るなど食事に 気を遣い、がんなどの病気の予防をして病人が減れば減るほど病院の経営は火の車になります。そのために予 防よりも検診が叫ばれているのです。

「医者という仕事は健康な人が増えてくればくるほど自分たちに収入が減っていく、という側面を持って います。悲しいことですが、この世の中は自分の収入が減ることよりも病気で苦しむ人が減っていくこと を喜ぶ医者だけが存在しているわけではありません。」(『50代からの超健康革命』松田麻美子著・グス コー出版・P.372)



乳がんになるのとならないのとどちらがいいですか?と女性に聞けば「ならない方がいいに決まっています よ」と答えが返ってきます。では、なりたくないのなら何か予防をされていますか。と聞けば、ほとんどの方 がしていないと言われます。していないのも当たり前です。乳がんの原因をハッキリさせていないためです。 乳がんに関する講演会や書籍でも原因のことにはほとんど言及していません。何故なら、医師や医療関係者が 講師や、著者になるために病気を予防することよりも検診や治療のために医療機関に足を運んで貰う方が儲か るので、乳がん検診や治療に誘うことばかりに熱心になるのだと思います。ほとんどのがんは、食事の改善 だけで70%防げるといわれています。そうなると医療業界にとっては打撃です。だから、医療業界は乳がんの 原因がわかっていても知られない方が得になるので、食事改善などの予防にはあまり熱心ではないのでしょう 。このような考え方はしたくはないのですが、そうとしか思えません。そのため、ほとんどの女性は乳がんを 予防するには乳がん検診を受けていれば大丈夫だと思っています。

「彼らが大学医学部で学んでくるものは、薬理学や病理学、そして外科治療や放射線治療などであって、 栄養学や健康学ではありません。医学部では人々が病気になったときに、その症状に対処する方法だけ を教えているのです。健康になる方法についての授業はありません。」(『50代からの超健康革命』 松田麻美子著・グスコー出版・P.60)



マンモグラフィーを導入すれば乳がんの死亡率が減るといっていますが、50年前には乳がん検診というよ うなものも検診機器もありませんでした。検診機器や検診がなかったために乳がんの罹患率や死亡率が高 かったのではないかという疑問がわいてきます。ほんとうに乳がんの方は多かったのでしょうか。多いと いうよりもほとんどゼロでした。私のまわりで乳がんで亡くなったということはほとんど聞いたことがあり ませんでした。検診=死亡率低下ではありません。食事などが正しいとがんにならないのですから、がん検 診は必要ないことを50年前の日本で証明しています。
先ほども書きましたが、50年前と現在の違いはといえば、食事の内容が大きく変わっていることと体を使わな くなったことくらいではないでしょうか。昔はなかったものが現在は死亡原因のトップになっているとし たら、原因は食事と運動だと考えるのが普通だと思います。このように乳がんはもとより他のがんも検診を受 けるよりも食事を変え、運動量を増やし、睡眠時間を増やすなどの予防で罹患率が下がり、死亡率も下げるこ とができます。食事を正すことは検診を受けるよりも人の体には自然で無理がありません。
「40年前の発生率に比べると約5倍にふえており(中略)乳がんが増えた理由のひとつは、食生活の変化 です。乳がん発生を増やすとされる動物性タンパクや動物性脂肪の摂取量が増えています。」(関西医科 大学外科・乳腺外科講師 田中完児・2004年4月28日付朝日新聞) というように欧米型の食生活や運動不足がほとんどのがんの原因ということは、大方の共通した認識だと思 います。それを医療業界や国は食事指導などがんに罹らないようにする予防のことには触れずに、検査機器の マンモグラフィーを導入し、検診率を上げるだけで乳がんの死亡率が下げられるようなことをいっています。 これは、虫歯を予防するには検査ではなく歯磨きという小学生でも知っていることを医療業界は歯磨き をしていなくても歯の検診率を上げれば、虫歯は防げると言っていることと同じ事です。(食事指導とは牛 乳や肉を良しとしている現代栄養学ではなく、日本の伝統的な食事で牛乳や肉などをあまり摂らない食事療 法のこと)



もっと分かりやすく検診よりも予防が有効という事実を紹介します。2000年の時点で日本にマンモグラフィ ーはあまりなく、乳がん検診の受診率も15%前後くらいでした。それでも日本の乳がんでの死亡者数は10万人 あたり約15人です。それに比べ、アメリカやイギリスでは早くからマンモグラフィーを導入して70%以上が2 〜3年に1度検診を受けて死亡率が下がったと日本の医療機関が引き合いに出しています。アメリカやイギリ スの死亡者数は10万人あたりアメリカで約30人、イギリスで約36人と日本の倍以上です。マンモグラフィ ーを導入すればすべて解決するかのように日本では国や医療関係者は言っていますが、マンモグラフィー の普及率が低く、マンモグラフィーを扱う技師の技量や読影に習熟した者が少ない上に乳がん検診率の低い 日本の方が、受診率がよく、前述(色部分の文章)したすべてにおいて日本より優っているアメリカ やイギリスよりも罹患率や死亡率が低いのはどうしてでしょうか。 その最も大きな違いは食事だと思います。これでおわかりだと思います。食事が違うだけでこれほどの差 が出ます。検診の普及よりも食事の改善が重要なのです。

 マンモグラフィーの普及率受診率10万人あたりの死亡率
アメリカ高い70%前後(毎年)30人
イギリス高い70%前後(3年に1度)36人
日本低い20%前後15人

何故、マンモグラフィーを導入して受診率が高く、治療法の進んだアメリカやイギリスでこんなにも乳がん 死亡率が日本よりも高いかといいいますと原因を取り除かないためです。この数字からもわかるように検査 機器の導入・受診率の高さと乳がんでの死亡率は関係ないということです。日本では、マンモグラフィーの導 入はまだまだですが、昔に比べ、医療の検査機器は格段の進歩を遂げています。CTなど昔にはなかったものが 今はあります。医療検査機器の進歩で昔に比べ、乳がんの発見率は向上したと思いますが、死亡率はどうでしょう。減って いますか?反対に増えています。日本の会社員は、毎年定期検診を法律で受けなければいけないようになって います。そのため、定期検診を受ける人は昔に比べ格段に増えていると思いますが、病死する人が減っているか といいますとむしろ急増しています。日本での死亡原因の90.24%(2002年厚生労働省人口動態調査)は病死で す。乳がんの検診率が低いことも乳がん死亡率が増えている原因の一つとしていますが、定期検診で検診者 が増えても、病気が減らせなかったことを見ると乳がん検診も同じ結果になるように思います。要するに医療 関係者は、患者を増やすことが目的ですから、結果はどうなってもいいのだと思います。



がんの死亡率だけがアメリカやイギリスで下がっているのなら検診でがんを見つけ、手術などの医療行為で 治ったためと理解できますが、がんの罹患率も下がっています。(乳がんは除く)がんの罹患率の低下に 伴って死亡率も低下しています。これだけを見ても罹患率を下げることが死亡率を下げるには最も効果的 な手段だということがわかります。この罹患率低下は、検診の効果ではありません。このことを分かりやすく するため、人を車に置き換えるとよく分かります。
最近、日本での車の事故は横ばいですが、死亡事故は減っています。その理由は、エアーバックや衝突時の ショックを吸収する車の構造(免疫力・自己治癒力)などで車自体の安全性が高まり、死亡事故が減ったから です。現在のような安全性の高まった車に比べて、昔の車の安全性はあまり高くありませんでしたが、すべて の車が車検(検診)を受けていました。しかし、交通事故や死亡者数は減りません。むしろ増えていました。 アメリカには、日本のような車検制度は昔からないと聞いています。それでも事故での死亡者数は早くか ら減少していました。アメリカでの事故死の減少は、現在の日本と同じで車の構造(免疫力・自己治癒力)や ガードレールなどの道路上の構造物を衝突してもショックがないようにガードレールの端をスロープ状にする など衝突時のショックを減らし、乗っている人を守ろうとしたからです(治療から予防へ)。車検(検診)が 死亡事故減少の原因ではありません。けれど、昔の日本はそんなことには目も向けず車検(検診)や、ただ かっこいい車(海外の食べ物)、燃費の良い車(ファーストフードなど手軽で安い食べ物)ばかりに目を向け ていました。



人間の体は、食べ物で維持されています。この食べ物を間違うとどうなるでしょうか?車を例にすると、ガソ リンを燃料として走るガソリン車にディーゼルエンジン車用の軽油を入れると、エンストしてしまうか最悪の 場合、エンジンが壊れてしまいます。人間も同様です。人間はアミラーゼというデンプンを分解する酵素の活 性が他の酵素よりも高い動物です。そのため人間は、穀類などのデンプン質を主に食べるようにできています。 しかし、戦後「ごはんを食べるとバカになる」とか「ごはんを食べると太る」などのデマを流し、ごはんの摂 取量が減り、反対に牛乳や肉などの動物性タンパク質と動物性脂肪の摂取量が格段に増えました。その摂取量 に伴って、がんや糖尿病、心臓病、肥満なども増加しました。これは自動車教習所で間違った運転の仕方を教 えていたのと同じです。だから交通事故(がんの罹患率)が増えるに従い、交通事故死亡者(がん死亡者)も 増えました。



火事や交通事故は起こってしまってからではいくら早期に発見し、色々な行動を起こしても家のどこか が燃えて水浸しになったり、車が壊れてケガをしたりするので、早く発見しても手遅れだと誰でも思いま す。ですが、がんに関しては早期発見・早期治療をすれば大丈夫といっていることが素人目から見ても おかしいと思います。起きてしまっては遅いことが分かっているからこそ、火事や交通事故は予防に力を 入れています。しかし、がんに罹れば約半数の方が亡くなるというのに予防よりも早期発見に力を入れて いる。アメリカも以前は、がんの治療技術の改善に膨大(日本の国家予算の数倍)な予算を投入していま したが、死亡率は下がりませんでした。そのため、政策を変えて、予防に力を入れたことにより、がんで の死亡率が低下してきたのです。ただただマンモグラフィーを導入しただけで死亡率が低下したのではあ りません。「早期発見・早期治療」よりも「早期教育・早期実行」です。



事故(がんに罹患)をすれば心にショックを受けた上に高いお金を出して車を修理(手術・抗がん剤) するのが良いのか、交通事故を防ぐための運転技術の教育(食事指導で免疫力を高める)を受けて事故 を未然に防ぐのがいいのか、みなさんはどちらがいいですか。最悪の場合、車は廃車(死亡)になって しまいます。私だったら後者を選びます。いくら車検を受けていても運転の仕方を間違っていれば事故 をします。それと同じようにいくら検診を受けていても食事の摂り方を間違っていれば、がんなどの生活 習慣病になってしまいます。
食事の違いで乳がんの罹患率や死亡率が減らせるなら、わざわざ高価な検査機器を導入したり、国が税金を 使って検診の普及活動をしなくても済みます。それらに使う予算を乳がんなどの生活習慣病の根本原因 である食事や運動、休養などの指導に充てれば済み、乳がんと宣告される不幸や乳房にキズが残ること も減ります。そして、最も重要な乳がんで亡くなる方が確実に減ります。
検診よりも食事改善などの予防は現代医学が減らせない乳がん(他 のがんも)を確実に減らします。



「浴槽からお湯があふれ出しているとき、あなたならどうするでしょうか。お湯の元栓を止めるでしょ うか。それとも外にあふれ出したお湯を必死にモップで拭うでしょうか。前者はナチュラル・ハイジー ン(果物を食べる食事療法)のアプローチで、後者は現代医学のアプローチです。病気を予防・改善す るための戦略は、皆さんが持っている健康と病気に関するパラダイム(考え方)を転換することです。」 (『50代からの超健康革命』松田麻美子著・グスコー出版・P.92)




エコロジカル・ヘルシーショップ三友 桧垣史郎
2004年11月
 
 
 
引用・参考文献
『医療が病をつくる』阿保 徹著・岩波書店
『コラム批判者からのメール』小生のメールソフト受信箱より
2004年4月28日付朝日新聞
『いまの食生活では早死にする』今村光一著・経済界
『アメリカはなぜ「ガン」減少したか』森山晃嗣著・現代書林
『50代からの超健康革命』松田麻美子著・グスコー出版



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