− 痛み止め(消炎解熱鎮痛剤)は使わないで下さい − 



皆さんは、肩がこったり、腰が痛い時に湿布薬を貼られたことがあると思います。この湿布薬は肩こりや腰痛の原因である筋肉のコリを取ってくれる薬だと思っておられる方がほとんどだと思います。しかし、残念ながらこの薬はあくまでも炎症と痛みを鎮める薬であって筋肉のコリは取ってくれません。そのため湿布薬は消炎鎮痛剤と呼ばれ、効能・効果にもコリを取ることは一言も書いてありません。



筋肉痛などの痛みは、病気と同じで悪いものと思われているのではないでしょうか。答えは否です。筋肉の痛みは一種の治癒反応です。すべての痛みが治癒反応とは言いませんが、ほとんどの筋肉痛は組織を修復する時に起こる痛みです。では、なぜ痛みは出てくるのかお分かりでしょうか。
机に座り、長時間同じ姿勢をしていると肩の筋肉の僧帽筋などを緊張させるため筋萎縮を起こし、血行が悪くなり肩がコッてきます。仕事中は精神的に緊張し、自律神経の交感神経が優位になり、血流が抑制されます。しかし、仕事が終わり、帰宅すると夕飯を食べたり、お風呂に入ってゆっくりし始めるので副交感神経が優位になり、血管がひらき、肩の血流が回復するので痛みが出てきます。



運動をした後の筋肉痛は、筋肉にある負荷を掛けると筋肉繊維が壊れ、その壊れた筋肉組織を修復するため血流が回復した時に起こります。このように痛みは体を治そうとして出てくる症状です。副交感神経優位になると血管がひらいて血流が回復し、痛みもでてきます。それは、血管をひろげる物質がプロスタグランジンやアセチルコリンなどの痛み物質でもあるため、血管がひらき、血流が回復すると痛みを伴ういうメカニズムです。痛みは治癒反応ですから痛みが出たら悪いことと思わずに組織修復をしていると思い、喜ぶべきです。



しかし、現代医療はこの治癒反応の痛みを消炎鎮痛剤を使い、止めてしまいます。 アトピーも同じです。アトピーの人が風呂に入った後で痒くなるのは血流が良くなったためです。血流が回復して炎症を起こし、皮膚に付いた抗原などを洗い流すため、カユミを伴います。このように血流が回復すると痛み、カユミが出ます。これは良いことです。発熱、腫れ、痛み、カユミなどの不快な症状のほとんどは治癒反応です。その治癒反応の症状を痛み止めやステロイドなどの薬で止めるのが現代医療です。だから病気が治らない。むしろ病気が悪化してゆきます。民間療法を受けると好転反応が起こるのは、血流が回復して組織修復をおこなっているからです。しかし、この好転反応を現代医療は病気の悪化と捉えます。
「現代医学には明白な根拠がないまま、先輩から後輩に引き継がれた考えや治療法がかなりある。そして、まじめな医者ほど忠実に実行し続ける。疑いも湧かない。湧いた疑いに素直になるためには、このようなとらわれから抜け出す勇気が必要である。」(『医療が病をつくる』安保 徹著・岩波書店・P.160)



働き過ぎや心の悩み、ストレスなどがあると交感神経緊張を生みます。薬の中にも交感神経緊張を生むものがあります。それが消炎鎮痛剤やステロイドホルモンです。 エアコンで体を冷やすことも悩むことと同じように交感神経緊張を生みます。 体温の約4割以上が筋肉から出ています。体の中で一番大きな筋肉は足です。そのため、腰から下に体の筋肉の約7割があります。それ故、足の筋肉は体にとって重要な発熱体です。しかし、足の筋肉は鍛えていないと40歳を過ぎるころから急激に細くなります。足の筋肉が細くなると発熱体が少なくなるため、体温が下がり、冷え性になり、交感神経緊張を生みます。交感神経が優位になると顆粒球が増えます。顆粒球は体の中でも主要な活性酸素発生源で、活性酸素は体を酸化させ、老化を促進させます。故に、冷えは寿命にも影響してきます。この事は暖かい沖縄は長寿が多く、北海道など寒さが厳しい北国では長寿が少ないことでもわかります。



カゼをひいた時には熱が出ます。熱が出るのはリンパ球の働きをよくするためです。体温が高ければリンパ球は活性化されてウイルスなどを攻撃できますが、体温が低いとリンパ球の働きが低下し、免疫力が落ち、病気に罹りやすくなります。このように、体は病気になれば発熱や炎症、痛み、かゆみなどを伴います。これらのほとんどは治癒反応です。熱や痛みなどの治癒症状が出て、自然と治るようにできています。筋肉痛もその一つです。その熱や痛みを冷やして血流を止める痛み止めでごまかしていれば病気やコリは治るどころか悪化してゆきます。



痛み止めは、自律神経の交感神経緊張を生みます。交感神経が緊張すると肩こり、腰痛、便秘、食欲不振、高血圧、痔、歯槽膿漏、不眠などの症状が出ます。痛み止めをずっと飲んでいると交感神経緊張が続き、下記のような副作用が出てきます。頻脈、高血圧、末梢循環不全(手、足が冷たい)、顆粒球増多、粘膜破壊(胃を悪くするなど)、関節や骨のさらなる変形、尿量低下、腎障害、白内障、不眠、易疲労性(いつも疲れた状態)、食欲不振、便秘、口渇、動脈硬化、狭心症、心筋梗塞、脳卒中、発癌、多臓器不全、寿命の短縮などです。(『医療が病をつくる』安保 徹著・岩波書店・P.86)



現代医療の最先端、抗がん剤の研究者でありながら自ら罹ったがんに化学療法などの現代医学を拒否し、代替医療で克服された松野哲也氏が著書『がんは誰が治すのか』(晶文社・P.77)に「病気を治すのは疾患特有の生理・生化学反応に即応する作用をもつ医薬品であるという、現実的かつ常識的な発想そのものが、医療産業機構によってつくりあげられた神話にすぎないのではないか、という思いが強くなりました。私たちは『病気を治すには薬がいる』ということを疑いもしません。しかし、そのような考え方自体が、医療産業機構を成り立たせる製薬会社と医師によってつくりあげられたものなのです。」と書いておられます。体の痛みは薬に頼らなくても自分で治せます。できるだけ病院に行かないようにして薬の害から逃れてください。
「このような患者さんを救う方法が一つだけある。薬を全部やめることである。食欲が出て疲れやすさがとれるので元気がでて散歩ができるようになる。血流が改善してくるので骨や関節の変形がちょうどよい状態で修復される。ここで、アメリカで評判の医師用教科書『ドクターズルール四二五』(邦訳『医師の心得帳』の一文を紹介する。『可能ならすべての薬を中止せよ。不可能なら、できるだけ多くの薬を中止せよ』『薬の数が増えれば副作用の可能性はネズミ算的に増える』『四種類以上の薬を飲んでいる患者は医学知識の及ばぬ危険な領域にいる』『高齢者のほとんどは薬を中止すると体調がよくなる』」(『医療が病をつくる』安保 徹著・岩波書店・P.87)



肩が痛いとか腰が痛い、膝が痛いという症状の多くは筋力の低下で筋拘縮が起きていることがほとんどです。足の筋力が落ち、筋拘縮(筋肉が硬くなり縮んだ状態)が起きればひざに水が溜まるということが起こります。これは筋肉が硬くなり、滑液が筋肉や靱帯内の静脈に吸収されづらくなるために溜まります。筋肉は35歳を過ぎると縮む傾向にあるといいます。日頃から筋肉を揉みほぐしたり、ストレッチで筋をのばし、軽い運動で筋力をつければ防ぐことができます。足の運動で特にお勧めなのがスクワットです。スクワットは自分の体重だけでしゃがんだり立ったりする運動で、正座が出来ないとか、正座やあぐらを組んでいた足をのばす時に足が伸びないというくらい筋拘縮が進んでいる人がすると最初はかなりつらい運動になります。このような方は椅子の背もたれとかテーブルのフチをもってほんの数センチしゃがんで立つだけを数回から始めて下さい。けっして無理をしないで下さい。筋肉が柔らかくなり、筋力が付くに従い、楽に出来るようになります。楽に出来るようになったら徐々に深くしゃがむようにして下さい。筋力が付けばヒザの痛みはなくなります。



肩がこっている方は、私が考えた立っても、椅子に座ったままでもできる水泳のクロール運動(バタフライでも同じような効果があります)が効果的です。これは両足を肩幅くらいに開いて立ち、その姿勢で水の中でクロールするように腕を回すだけです。椅子に座ったままでする方は背もたれにはすがらないようにしておこなって下さい。普通に水の中を泳ぐように後ろから前に腕を回すだけではなく、前から後ろに腕を回すのがより効果的です。腕を回す時に肘をできるだけ上に上げるようにすると肩の筋肉の僧帽筋や三角筋に負荷をかけるようになりますので筋力をつけることも出来ます。肩胛骨も良く動きますので五十肩の予防にもなります。



腰痛には1m50pくらいの棒を両肩に担いでその棒に手を添えて立ちます。足は肩幅の広さに開き、上体を片方にねじって、ねじりきったら反対側にねじる。これを繰り返すだけです。これで腰の周りの筋肉をストレッチするようになりますので筋肉の疲れをとり、腰痛の予防になります。棒を使わないで頭の後ろで手を組んでも同じようにできますが、棒を使う方がうまくできます。



整形外科では肩こりや腰痛、ヒザの痛みの治療にマイクロ波(電子レンジと同じ原理で筋肉を暖める)やホットパック、けん引などを使い、筋肉の血流回復をしておきながら筋肉の緩和を試みた後に冷やして血流を止める痛み止めや湿布薬を処方しています。病院では血流回復という治療をしておきながら、家で血流を止める薬を飲むのですから痛みなどの原因である筋肉のコリはとれず、いつまでも病院に通うということが起こります。
消炎鎮痛剤は体を冷やし、血流を悪くさせて痛みを鎮める薬です。病気は血行の悪い所に出るといわれています。血流が悪くなると細胞に栄養や酸素が不足してくるようになり、色々な副作用や病気が出てきます。消炎鎮痛剤は老化を進め、寿命を縮める薬です。そのようなことにならないように運動をして筋力をつけ、消炎鎮痛剤に頼らなくてもいい体にして下さい。運動をすれば血行も良くなり、筋力もつき、日常生活が楽になります。特にスクワットなど足の運動をして足の筋力つけておくと寝たきりも防ぐことが出来ます。
「病気や症状を治すには、何が原因かを突き止めなければいけません。その原因に対して適切な処置を施してこそ治療効果が上がるのです。ところが外科や整形外科では、椎骨変位という概念自体が存在しません。ですから、椎間板ヘルニア、脊椎分離、脊椎すべり症、脊椎間狭窄症などの病名をつけています。これでは原因のとらえ方が違ってしまっているので、治らないのは当然でしょう。」(『体の痛みを確実に取る』早瀬久義著・現代書林・P.107)



体を動かさない人は副交感神経優位ですが、極端に動かさない人は副交感神経優位から交感神経優位に変化します。交感神経緊張は顆粒球を増やしますので顆粒球が発生する活性酸素で組織破壊が起こり、病気などを引き起こします。がんの約80%は交感神経緊張から発症するといわれています。それほど現在は忙しい世の中になりました。私が気づいたことなのですが、交感神経の緊張が続くような忙しい世の中は性犯罪が増える世の中だと思います。昔の賢人にはそれがわかっていたのだと思います。漢字の「忙しい」は「心」を「亡くす」と書きます。人間は心を亡くさないために何をするかといいますと、心を生かすことをします。それが「性」です。現実に性産業や性犯罪は増えています。
「特に、三〇〜六〇歳代に引き起こされる癌の誘因は、働き過ぎや人間関係のストレスが大きな要素となっていると私は感じている。消炎鎮痛剤(NSAID)や抗癌剤も長期使用すると、交感神経緊張をもたらす薬剤であることを思い出してほしい。」(『医療が病をつくる』安保 徹著・岩波書店・P.167)



血液の流れが悪いこと=不健康ということは常識になっています。肩こりなどのコリは血行が悪くなって起こっています。それなのに痛み止めなど血行を悪くする薬を飲んでいては治るものも治らなくなります。痛み止めを処方されてもできるだけ飲まないようにして、痛みやカユミなどの症状を受け入れて薬の副作用から逃れてください。薬を飲むよりも、指圧や整体、ストレッチ、軽い運動などをして筋肉の拘縮を解き、筋力をつけるようにして下さい。そして、できれば副交感神経を刺激する足浴や半身浴をおこなうとより早く筋拘縮から解放されると思います。





エコロジカル・ヘルシーショップ三友 桧垣史郎
2005年5月
 
 
 
引用・参考文献
『医療が病をつくる』安保 徹著・岩波書店
『絵でわかる免疫』安保 徹著・講談社サイエンティフィク
『よくない治療、ダメな医者から逃れるヒント』近藤 誠著・講談社+α文庫
『免疫革命 講演会 in 東京』有限会社インフィニットクリエイション
『がんは誰が治すのか』松野哲也著・晶文社
『体の痛みを確実に取る』早瀬久義著・現代書林
『東洋の智恵は長寿の智恵』渡辺昇一・石原結實著・PHP研究所



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