| ■ − おかずの摂りすぎが病の元 − ■ |
現在は、サプリメントなど栄養価の高い食品が売れ、身体に良い食品を紹介する番組が高視聴率を得るほど健康に関心が高くなっています。しかし、健康に関する本当の情報はあまり流れていないような気がします。今、テレビや雑誌など企業の広告で成り立っている媒体のほとんどは、「あれが良い」、「これが良い」というように、様々な食品や栄養素を紹介し、摂るように煽る内容です。とにかく「あれを食べろ」、「これを食べろ」とプラスの提案ばかりです。これは現代栄養学の基本的な考え方です。現代栄養学はとにかく栄養は摂ればとるほど身体に良いとします。 |
そのため、テレビや雑誌など身体に良いという食品や栄養素を紹介するものがほとんどです。でも、「これは食べるな」、「これは必要ない」など栄養はそれほど摂る必要はないというようなことはほとんど紹介されません。「あれは良い」、「これは良い」というように食べることばかり紹介していますから、食べ過ぎになります。お年寄りにも「タンパク質が必要だから肉を食べなさい」とか「カルシウムが不足しているから牛乳を飲みなさい」と、脂肪たっぷりの動物性食品を勧めます。このように人を病気や肥満に導く番組や雑誌が多すぎます。そのような番組や雑誌を見て、栄養があるのなら自分も食べなければと思い、それらを買って食べてしまいます。昔のように身体を動かすこともないのに1日3食にプラス栄養補助食品などを摂るようになります。プラスになる分、栄養過多になるのは当然で、肥満、糖尿病、心臓病、高血圧など食べ過ぎから起こる病気が増えるため、ダイエット関連の食品や健康器具などが売れるようになります。 「食べ過ぎの人は熟睡できず、長時間睡眠をとらないと体調が悪くて仕方がありません。いっぽう、小食の人は、熟睡ができ、睡眠時間がすくなく、それでいて目覚めもよく、体調も良好です」(『長生きをしたければ朝食を抜きなさい』東 茂由著・河出書房新書・P.30) |
なぜ、これほど食べすぎや肥満が増えたのでしょうか。それは、日本が金銭的に豊かになったことが最大の理由ですが、それ以外にも栄養学とマスコミの存在があります。栄養学は高タンパク、高カロリー、低糖質を基本としています。そのためカロリーが高く、タンパク質の多い動物性食品を使うメニューが多くなります。そして、動物性タンパク質は人のアミノ酸組成に似ているから良質なタンパク質、というのが動物性食品を摂取するようにすすめる根拠になっています。動物性食品は良質なタンパク質かもしれませんが、脂肪も大量に含んでいます。特に日本の家畜の肉を食べるには、多くの飽和脂肪酸も摂取することになります。多くの脂肪を含んだ肉をまた脂肪である食油で炒めて食べるのですから、確実に脂肪の摂りすぎになります。ましてや、1日に30食品で高タンパク、高カロリー、低糖質が基本ですから、ご飯の量を減らして肉や油で炒めたおかずを多く摂れば確実に生活習慣病になります。日本では、カルシウムが不足しているからといって高脂肪の牛乳を飲ませる指導をしています。学校給食や病院食で必ず飲まされますが、牛乳1リットル中にはバター大さじ4杯もの脂肪、それも血管の中で固まりやすい飽和脂肪酸が含まれています。オーストラリアでは、日本の霜降り肉のように脂肪が多い肉は健康を害するということで販売が禁止されています。 |
みなさんはカロリーで太ると思われていますが、カロリーでは太りません。カロリーは、1気圧の時に1グラムの水の温度を1度高めるのに要する熱量のことです。もしもカロリーで太るのなら、冷たい水よりも熱いお湯の方が太るということになります。このようなことは実際にはあり得ません。カロリーで太るのではなく、脂肪で太るのです。肉や牛乳を摂ることで必然的に脂肪も摂ることになります。その脂肪によって太るのです。日本の栄養所与量で日本人男子はタンパク質を約70グラム摂るようになっていて、これは世界一の所要量です。それも動物性食品から摂ることをすすめていますから、肥満やがんの原因物質である脂肪を摂ることになります。動物性食品を多く摂ると、血液が酸性に傾き、二酸化炭素の運搬力が弱まり、細胞内に二酸化炭素が蓄積され細胞は酸性に傾きます。こうなると身体はアシドーシス血漿に陥ります。アシドーシス血漿は様々な病気をつくりだします。 「肉の脂肪分を分解するのに胆汁酸が余計に分泌されますが、その胆汁酸が大腸にいくと発ガン物質に変わります。肉食に偏った食事は大腸ガンになりやすいというのは、そういうことなのです。」(『長生きをしたければ朝食を抜きなさい』東 茂由著・河出書房新書・P.78) |
健康のために1日30食品を摂る方が良いということで、飽和脂肪酸をたっぷり含んだ動物性食品や食油を使って調理する炒めものなどのおかずを沢山食べるので、おかずだけでお腹が一杯になり、ご飯(米)は入らなくなりました。そのため、ご飯の摂取量は年々減っています。昔のおかずは、濃い味付けがしてありました。おかずの味付けが濃いとご飯はすすみますので、少ないおかずでご飯(米)を自然と多く食べるようになり、一人当たりお茶碗10杯程度のご飯(米)を1日に消費していました。ですが、近年は塩分のとりすぎは脳卒中や高血圧などになる確率が高くなるため、身体に悪いということで料理に薄い味付けが増えています。味付けが薄いとご飯(米)は食べられなくなり、当然ご飯よりもおかず摂取量は増え、ご飯(米)の摂取量は減ります。ご飯(米)を食べると太ると思っている方が意外と多く、ダイエットのためにご飯(米)は敬遠されています。しかし、ご飯(米)で太るというのは米の消費量を減らすことが目的のウソで、何の根拠もないことです。むしろ、ご飯(米)をしっかり食べておかずを少なくすれば自然と痩せますし、できればご飯は玄米か分づき米にして頂ければ、ダイエット効果はもっと上がります。そして、特に脂肪分が多い牛乳を止めて頂きますとより効果的です。 米の消費量が減ったのは、日本がアメリカから小麦を輸入しなければならず、そのためには、日本人がお米を食べていては小麦でつくったパンなどが消費されないので、「ご飯(米)を食べるとバカになる」や「ご飯(米)を食べると太る」などの消費量が減るようなデマが流れたからです。 |
そういわれても塩分は、身体に悪いものと洗脳されている方が大半ですから、塩分は良いと反対のことを言ってもなかなか理解できないと思います。でも、塩分は身体に必要なものです。塩分を減らすと胃酸が薄くなり、ピロリ菌が増え、胃がんや胃潰瘍になるリスクが増えます。そして、寿命も縮みます。『長生きをしたければ朝食を抜きなさい』(東 茂由著・河出書房新書・P.49)にこのように書いてあります。「アルダーマンというアメリカの学者が、米国で行なった国民栄養調査の結果を1998年に医学雑誌『ランセット』誌上で報告しています。これは食塩摂取量と死亡率の関係について、27歳から75歳までの20万7729人の栄養調査と医学的調査を行なったもので、その結果は、食塩摂取量がすくないグループほど死亡率が高いことが判明しました。たとえば、男子について、食塩摂取量を平均量で最低の2.64グラムから最高の11.52グラムまでの4段階のグループに分け、女子も最低1.70グラムから最高7.89グラムまでの4段階に分け、全死亡率を比較してみたのです。すると、食塩摂取量のもっともすくないグループの死亡率がいちばん高い、という結果がでています。また、全死亡率だけでなく、心・血管系による死亡率でも、食塩摂取量がいちばん多いグループといちばんすくないグループをくらべると、すくないグループのほうが死亡率が高かったと報告されています」 |
塩分の摂りすぎは高血圧や脳卒中が増えるというイメージがあるため、塩分は悪いということが常識になっています。しかし、塩分で高血圧になるのなら低血圧の人に塩分を摂らせて血圧を上げることができるということだと思いますが、そうはなりません。塩分で高血圧になるのではないからです。高血圧はストレスや太りすぎなどが原因で塩分でなる方は非常に少ないと思います。東北などの寒い地域では冬、野菜が採れないため野菜を塩漬けにして保管することが普通でしたから、塩分の摂取量が増えて当たり前です。そのことが脳卒中死亡率を高めたように報道されたため、減塩運動が広まりました。昔、脳卒中は冬の寒い時期に多く発生していました。これは暖房器具が火鉢や囲炉裏のような部屋全体を暖められないものしかなかった上に、すきま風が入ってくる寒い住宅事情が大きな要因だと思います。寒いというだけでストレスを生みます。塩分の摂り過ぎよりも寒さが脳卒中の要因ではないかと思います。最近の脳卒中の原因は昔とは違い、動脈硬化など脂肪の摂り過ぎによるものが多いということです。 |
「世界のいろいろな地域での調査結果を総合すると、食塩摂取量が五グラムから二五グラムの間では、食塩摂取量が多いほど脳卒中死亡率が高くなるという相関関係は見出されていません」(『伝統食の復権』島田彰夫著・東洋経済・P.127)というように食塩と脳卒中の因果関係はほとんどないと思っていいと思います。 1日30食品ということは無視して、ご飯(できたら玄米や分づき米)と季節の野菜を中心にできるだけ動物性食品を減らして、おかずの味付けを少し濃くし、おかずよりもご飯を多く食べるようにすると消化がスムーズになります。人はアミラーゼというデンプン分解酵素の活性が高い動物です。油を使ってつくったおかずから栄養を摂るよりもご飯や豆などの穀物から栄養素を多く摂る方が身体の負担も少なく、病気になりにくくなると思います。 |
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引用・参考文献 『アトピーの健康合宿に学ぶ』甲田光雄監修・創元社 『自力整体法の実際』矢上 裕著・農文協 『長生きをしたければ朝食を抜きなさい』東 茂由著・河出書房新書 『ハービー・ダイヤモンド博士のスリムなって若返る7つの発見』ハービー・ダイヤモンド著・弓場 隆訳・青春出版社 『伝統食の復権』島田彰夫著・東洋経済 |