− 清潔の落とし穴 − 

 
皆さんは清潔と不潔のどちらがいいでしょうか? もちろん、清潔の方がいいのに決まっていると思います。
でも、ちょっと待って下さい。今の日本の清潔志向は化学的清潔です。 化学的清潔とは合成洗剤や殺菌剤、除菌剤、抗菌剤などの化学物質に頼った清潔志向です。 昔、掃除と言えば箒にハタキ、雑巾でしたものでした。 このような昔から行ってきた物理的清潔志向はあまり見られなくなりました。 それほど化学物質に頼った生活をしています。 でも、この化学物質がいろいろな問題を引き起こしています。 アトピーや喘息、花粉症などの現代病を生み、 最近では化学物質過敏症という病気も増えてきていますし、 環境ホルモンという生き物の存続を脅かす化学物質まででてきています。 これも、すべては人が楽をしよう、きれいにしようと化学物質に頼った結果です。
 
清潔も度をこすと危険です。O157がその典型です。
O157は腸壁にくっつかないと悪さができません。 ですがO157は毒素を作るためにエネルギーのほとんどを消費しているために、 大腸菌などの雑菌の多くいる腸では腸壁にくっつくことができませんので、 お尻から排出されて悪さができません。
その証拠に東京医大の中村明子客員教授が、 岡山県邑久町でO157の集団食中毒が発生した時に感染者の清潔度を調べた結果、 重症者の全員が超清潔に育てられた生徒だったそうです。同じ給食を食べていながら、 まったく症状がでない生徒と重症で入院しなければいけないほどの差は清潔度の差です。 清潔が必ずしもいいとは限らない、 それも殺菌剤や除菌剤などの化学的清潔がいけないといういい例です。
 
こういう調査結果がマスコミで報道されて給食現場で殺菌剤などの使用量が減ればいいのですが、 こんな重要なことはほとんど報道されません。
結果として未だに学校給食の現場では、 生野菜を200ppmという高濃度の塩素殺菌をするということが行われているそうです。 塩素は2ppmで人の細胞膜を破壊するという毒物です。 今に塩素による何らかの問題が起きるのではないかと不安です。 行政指導の特徴として「使え、使え」と使用量を増やすことしかしません。 たぶん、これも産業育成のために、 メーカーの売上を上げるように行われている行政指導ではないかと思わずにはいられません。 行政には減らすという考え方はないのでしょうか。
 
今の若い人たちの清潔感は異常に見えます。 夜シャンプーをしてまた朝シャンプーをする、夜、石けんで顔を洗ってまた朝、 石けんで顔を洗うこんな事をしていれば髪の毛や肌に異常をきたすのも当たり前です。 肌には表皮ブドウ菌やニキビ菌、真菌類などの沢山の常在菌がいて肌を守っています。 この常在菌も一度、身体を洗うと約9割が流れていなくなるそうです。 それなのに女性はきれいになろうとせっせと肌を洗います。 しかし、洗えば洗うほど肌の常在菌や皮脂を洗い流してしまい肌は無防備状態になり自分の汗やほこり、 紫外線などの弱い刺激でも、湿疹や炎症を起こしてしまうようになります。
 
肌は皮脂膜と角質の中の脂肪層によって外部から一切のものが入ってこれないようになっていますが、 化粧品メーカーの「洗え、洗え」 と脅迫的なコマーシャルによって皮脂を取りすぎてしまい、 今まではお年寄りに多かったドライスキンになる若い女性が増えているそうです。
 
最近、ボディーソープに抗菌剤が添加してある商品が売られています。 皮膚にいる常在菌が、病原菌やアレルギー物質などの有害なものが皮膚に付かないようにしているのに、 抗菌剤入りのボディーソープで身体などを洗っていると、 常在菌を排除するようになり皮膚を健康に保てなくなります。 皮脂も皮膚を守る重要な働きをしています。 しかし、過度に洗いすぎるとすべてを洗い流してしまいますので皮膚にとっては良くありません。
身体の皮膚は一枚の皮で出来ていますので顔も同じです。 洗顔後、皮脂は5分もすれば出てきますが、 強く洗顔をしてしまいますと皮脂の回復に4、5日くらいかかります。 こうなると保湿機能がなくなりますので水分が体外へ出てゆき肌が乾燥してしまいます。 身体には皮膚を弱酸性にする機能が備わっているのですから弱酸性の洗浄剤なども必要はありません。 敏感肌といわれる肌も色々な原因があるとは思いますが、 かなりの割合で洗いすぎによる影響が大ではないかと思います。 合成洗剤に研磨剤入りのクレンジングなどで何度も洗うために皮膚のバリアーゾーンが壊れ、 非常に弱い刺激物にもカブレなどを起こしてしまうのではないでしょうか。
この敏感肌という肌は女性、特にきれいになりたいと熱心に化粧をする二十歳前後に多い症状です。 不思議なことに男性にはほとんど見られない症状です。 だから敏感肌は化粧をすることに関係があるということがわかります。 もしも、この推測が正しいのなら敏感肌用の化粧品はいらないもので、 むしろ化粧を止めるべきだと思います。 自分たちの作った化学物質たっぷりの化粧品で敏感肌になっているのに、 また化学物質たっぷりの敏感肌用の化粧品を売りつけるのですから、 化粧品メーカーは図々しいというかあくどいというか図太いですね。 化粧品メーカーも化粧品が原因ということをごまかすために、 消費者の肌が弱くなったということにして敏感肌用の化粧品を薦めるのは、 行政と同じで化粧を止めさせて肌の回復を待つという指導を消費者にはしません。 本当のきれいな肌とは化粧などで、ごまかさない素肌の美しいことだと思います。 化粧をするとどうしても顔を洗いすぎてしまい、肌の健康が保たれません。 化粧をしなければ洗顔回数も減り、肌も痛めませんので歳をとってもきれいな肌を保てます。
 
0157の集団感染が発生して以来、家庭や病院、特に学校などで異常とも思える洗浄、 殺菌が行われるようになりました。 それも、塩素殺菌や抗菌剤などを大量に使いあらゆる物を化学物質で汚染しています。 化学物質が人の健康や自然環境にとってどれほど悪いかは、もうお分かりだと思います。
 
合成洗剤を使っているみなさんはガラス掃除といえばガラス掃除用洗剤、 カビ掃除といえばカビ取り剤という風に、 条件反射的に合成洗剤や殺菌剤を使用するように、 テレビコマーシャルでマインドコントロールされています。
身体や手は普通の石けんで洗うだけで十分です。 食器やフキンなどの殺菌は乾燥させれば菌は死にます。 流し台に置いてある生ゴミを入れる三角コーナーなどは、 こまめに生ゴミを捨て、タワシで洗うだけできれいになります。 まな板は熱湯をかけて乾燥させれば十分です。 家の中の普通の汚れは固く絞った雑巾で拭き取るだけできれいになります。 微生物がいなければ人は生きていけません。 ようするに、人は微生物によって生かされていることを忘れないでいただきたいと思います。 だから、微生物を殺す殺菌剤や合成洗剤などを使う必要はありません。
 
抗菌剤や殺菌剤は農薬とあまり変わりません。 農薬を家中に塗り付け汚染させることが本当の清潔と言えるのでしょうか? アトピー性皮膚炎や花粉症、ぜんそく、 化学物質過敏症の原因である化学物質に頼った清潔とは何かをもう一度、考えてみて下さい。
 
エコロジカル・ヘルシーショップ三友 桧垣史郎
 
参考文献 「清潔はビョーキだ」 朝日新聞社

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